2024年03月17日更新
よう実 you_zitsu 名言

アニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』で使われた哲学者の名言まとめ

『ようこそ実力至上主義の教室へ』は俺TUEEE系の学園アニメでありながら、「真の平等とは何か?」といった哲学的なテーマを扱っているのが特徴です。そのため、各話サブタイに「地獄、それは他人である」といった哲学者の名言が使われています。ストーリーとの関連度が高くて面白いので解説をつけてまとめてみました。

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『ようこそ実力至上主義の教室へ』とは

出典:you-zitsu.com
『ようこそ実力至上主義の教室へ』はライトノベル原作のアニメ作品。

成績の良い生徒ほど多額の生活費がもらえるという特殊な高校に入学した生徒たちが底辺から這い上がっていく姿が描かれます。

この作品の主人公は無能そうに見えて実は天才です。大活躍します。そういった部分はテンプレ的と言っていいです。

しかし、面白いのは「真の平等とは何か?真の実力とは何か?」という哲学的なテーマがときおり出てくるところ。なんと主人公がクラス担任に向かって、「今の日本は、この社会は平等だと思いますか?」と質問するシーンがあったりします。

各話サブタイが哲学者の名言で統一されている

出典:5話
作品の雰囲気に合わせたのか、各話のサブタイはいつも哲学者の名言の引用になっています。たとえば、5話のサブタイは哲学者サルトルの名言「地獄、それは他人である」でした。

形式的な引用というわけではなく、名言の内容はしっかり各話のストーリーとリンクしていて面白いです。

では以下、各話のサブタイをひとつひとつ紹介し、ストーリーとの関連性を説明していきます。

「悪とは何か――弱さから生ずるすべてのものだ。」

1話のサブタイはドイツの哲学者ニーチェの名言でした。出典は彼の著書『アンチ・クリスト』。
ニーチェは、簡単に言うと「キリスト教なんて偉そうに言ってるが、要するに富み栄える者に対して嫉妬して足引っ張ってるだけじゃんか。それで優秀な人間の足を引っ張るもんだから、世の中が停滞したり人間の本来の活力が沈滞したりしてろくなことになってねんだよ。ガッデム!」って言ってるんです。
引用元:detail.chiebukuro.yahoo.co.jp(引用元へはこちらから)

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弱さに由来する愚痴とか、妬みとか、諦めとか、そういったものが良くないと言っているのだ。
引用元:keik-vom-leiermann.seesaa.net(引用元へはこちらから)
出典:1話
1話では、毎月必ず10万もらえると思い込んだ生徒たちが学業を放棄し、散財する姿が描かれました。

今回のサブタイは、そういう自制心の無さ、向上心の無さこそが「弱さ」であり「悪」だと言っているのだと思います。

あるいは、「今後、クラスポイントを獲得するために頑張れない生徒は弱者であり悪人である」と非難(激励?)していると解釈することもできそうです。

「才能を隠すのにも卓越した才能がいる。」

2話のサブタイはフランスの文学者、ラ・ロシュフコーの名言でした。出典は彼の著書『考察あるいは教訓的格言・箴言』。
《ラ・ロシュフーコー》
フランス屈指の大貴族の家系に生れ,しばしば政治的陰謀に利用され,リシュリュー公と争ったり,フロンドの乱に参加したりの波乱の半生をおくったのち,1653年失意のうちに隠退生活に入った。
引用元:kotobank.jp(引用元へはこちらから)
出典:2話
2話では、主人公の綾小路が生徒会長と互角に戦えるほどの格闘能力を持っていること、そして、入試で意図的に全科目50点をとったことが明らかになりました。

サブタイ通り、綾小路は優れた才能を持っており、なおかつ、それを隠す才能も持っていると見ていいでしょう。名言を残したラ・ロシュフーコーは才能を隠すことができず周囲に振り回されてしまった人のようですが、綾小路の場合はどうなっていくのか、気になるところです。
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「人間は取引をする唯一の動物である。骨を交換する犬はいない」

3話のサブタイはイギリスの哲学者であり経済学者でもあったア‌ダム・スミスの名言でした。出典は彼の著書『諸国民の富の性質と原因の研究』。
『国富論』は、国家繁栄の原理を明らかにした書物である。スミスは、国の豊かさの本質は「労働」にあり、労働と土地が生む年間生産物の量が国の豊かさを担保すると述べる。
引用元:eninarutiiki.hatenablog.com(引用元へはこちらから)
生活が豊かになるには、分業と労働生産性の向上が必要であり、その前提となるのは人間だけがもつ交換したいという性質だ。そうスミスは論議を展開してきました。
引用元:kimugoq.blog.so-net.ne.jp(引用元へはこちらから)
出典:3話
3話では、綾小路が先輩から過去問を売ってもらったり、先生から須藤の点数を売ってもらったりして、ピンチを切り抜けていました。

ポイントと何かを交換する取引をしたとみなすことができ、サブタイにふさわしい展開だったと言えます。

スミスの国富論によれば、物々交換は分業につながっていくとのことです。今後、須藤が身体能力を活かして何かを成し遂げ、堀北さんと綾小路に恩を返す展開になれば、分業と言えそうな気もしますが、どうなるでしょうか。

「他人が真実を隠蔽することに対して、我々は怒るべきでない。

なぜなら、我々も自身から真実を隠蔽するのであるから。」

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4話のサブタイも2話と同じく、ラ・ロシュフコーの名言でした。出典も同じで『考察あるいは教訓的格言・箴言』。
ラ・ロシュフコーも容赦ない眼差しを周囲の人間に向けて、貧弱な精神を分厚い衣装で着飾ったり、内面の醜さを言葉巧みに隠し続けている人間、嫌がられていることに気づかずに自分のことを長々と自慢げに語る人間、恋愛の狂気に翻弄される人間たちの繰り広げるドラマを箴言に映し出している。
引用元:www2.hannan-u.ac.jp(引用元へはこちらから)
出典:4話
今回のサブタイはいろんなキャラに当てはまるため、いろんな解釈ができそうです。

解釈1:事件を目撃したのに黙っている佐倉さんに対して、綾小路および櫛田さんは怒るべきではない。なぜなら、その二人だって本性を隠しているのだから。

解釈2:先に喧嘩を仕掛けたことを黙っているCクラスにDクラスは怒るべきではない。なぜなら、Dクラスの須藤だってバレたらまずいことをやっているのだから。

「地獄、それは他人である。」

5話のサブタイはフランスの哲学者、サルトルの名言でした。出典は彼の戯曲『出口なし』。
《サルトルの思想》
人間は自分で選択したわけでもないのに、気づいたときにはすでに、常に状況に拘束されている。他人から何ものかとして見られることは、わたしを一つの存在として凝固させ、他者のまなざしは、わたしを対自から即自存在に変じさせる。地獄とは他人である。
引用元:ja.wikipedia.org(引用元へはこちらから)
「即自存在」とは、それが何ものであるかを規定されて存在しているものを言います。例えば、ペンやナイフなどの道具は「即自存在」です。

これに対して「対自存在」は、何ものであるかを規定されず、自己に向かい合うものを指します。つまり、人間がその「対自存在」にあたるとサルトルは言うのです。
引用元:detail.chiebukuro.yahoo.co.jp(引用元へはこちらから)
出典:5話
今回の名言は難解ですが、他人の目を意識すると精神的な自由が失われる、というような意味でしょう。

須藤の裁判で、兄の目を意識して大人しくなってしまった堀北さんのことを表現していたのだと思われます。また、周囲の目を気にして、自分の本当の姿を見せることができなかった佐倉さんを表現していたと考えることもできそうです。

「嘘には二種類ある。過去に関する事実上の嘘と未来に関する権利上の嘘である。」

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6話のサブタイはフランスの政治哲学者、ルソーの名言でした。出典は彼の著書『エミール、または教育について』。
「エミール」は、一人の子どもをルソー自身があずかって教育するという形で、赤ん坊から青年期に至るまでの教育方法を論じた「教育小説」という体裁をとっています。「万物をつくる者の手をはなれるときすべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる」という有名な言葉が示すように、徹底した自然の賞揚、人為への批判がその思想のベースを貫いています。
引用元:www.nhk.or.jp(引用元へはこちらから)
出典:6話
6話で綾小路と堀北さんは監視カメラを独自に設置することで、Cクラス生徒に事件当日もカメラがあったかのように錯覚させていました。そして、証拠を提出すればCクラス生徒を退学させることができると言って、交渉を有利に進めていました。

サブタイの「権利上の嘘」というのは、綾小路の「証拠映像があるから退学させられる」という主張を指していると考えられます。一方、「事実上の嘘」はCクラス生徒の「須藤から一方的に暴行された」という主張を指していると考えられます。

結局、綾小路がうまく交渉をまとめて事件そのものを無かったことにしたわけですが、ルソーは人為的なものを嫌っていたそうなので、ルソーが見ていたら双方を罰していたのではないかと思います。

「無知な友人ほど危険なものはない。賢い敵のほうがよっぽどましだ。」

7話のサブタイはフランスの詩人、ラ・フォンテーヌの名言でした。出典は彼の詩的物語集『寓話』。
17世紀のフランスの詩人ラ・フォンテーヌは、皇帝ルイ14世の王太子に、「人生の教訓を学んでもらいたい」との思いで、動物たちを主人公にしたこの寓話集を著した。美しくユーモラスな挿画を添えて。人生が変わる、ちょっとスパイシーな全26話。
引用元:www.amazon.co.jp(引用元へはこちらから)
出典:7話
今回のサブタイはわかりやすかったです。プールで愚かな作戦を実行しようとした池、山内、須藤、外村の4人が「無知な友人」であり、Dクラスの評判を落とす「危険」な存在だったという意味でしょう。

「賢い敵」は龍園や生徒会長など、他クラスのリーダーを指していると思われます。綾小路は堀北に演説させることで彼らの注意を更衣室から逸らすことができており、確かに、「無知な友人」より「賢い敵」のほうが操りやすい分、「まし」という感じがしました。

「汝等ここに入るもの、一切の望みを捨てよ。」

8話のサブタイはイタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリの名言でした。出典は彼の叙事詩『神曲』地獄篇第3歌第9行。
『神曲』地獄篇は、作者にして主人公のダンテが古代ローマの詩人ウェルギリウスに導かれて、地獄を巡るという内容である。「地獄の門」は、この地獄の入口にかかる門であり、『神曲』地獄篇第3歌の冒頭は、門の頂に記された銘文から始まっている。

地獄の門の銘文は、門自身が一人称で語りかける形となっており、いわば門の自己紹介であると同時に地獄の紹介ともなっている。

始めの三行で反復されていることは、この門をくぐる者がこれから行くことになる地獄界のことを指している。すなわち、地獄界と、そこで繰り広げられる永劫の罰、そして地獄の住人のことを端的に言い表しているのである。
引用元:ja.wikipedia.org(引用元へはこちらから)

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出典:8話
今回のサブタイも分かりやすいです。これから無人島でサバイバル生活をすることになるので「一切の望みを捨てよ」ということですね。

元ネタ的には無人島でこれから「地獄」のような生活が始まり、「永劫の罰」を受けることになるはずですが、どうなるんでしょうか。

「人間は自由の刑に処されている」

9話のサブタイは5話に続いてまたしてもフランスの哲学者、サルトルの名言でした。出典は彼の著書『実存主義とは何か』。
人間にはなにか,外から(たとえば神さまから)あたえられた「生きる目的」みたいなものがないから自由なのだけど,その自由というのは,つねに自分の意志で決断をし続けなければならないものだから,とても大変ですよ,ということ
引用元:detail.chiebukuro.yahoo.co.jp(引用元へはこちらから)
出典:9話
無人島でのサバイバル生活では高円寺くんが勝手に離脱してしまいポイントが減ったり、ポイントをどう使うかで揉めたりと、トラブル続きでした。

自由になんでもやれる環境だけど、自由だからこそ衝突が起きたり、ペナルティを受けたりする。かといって、じっとしていては飢えをしのげない。まさに「自由の刑」に処されているという感じでした。

「裏切者の中で最も危険なる裏切者は何かといえば、

すべての人間が己れ自身の内部にかくしているところのものである。」

10話のサブタイはデンマークの哲学者キェルケゴールの名言でした。出典は彼の著書『愛と生命の摂理』。
《キェルケゴールの哲学》
現実世界でどのような可能性や理想を追求しようと<死>によってもたらされる絶望を回避できないと考え、そして神による救済の可能性のみが信じられるとした。これは従来のキリスト教の、信じることによって救われるという信仰とは異質であり、
引用元:ja.wikipedia.org(引用元へはこちらから)
キルケゴールの言う愛は、神への愛ということになります。キルケゴールによれば愛の源泉には神への愛があり、それがなければ人間の恋愛などもないということになります。
引用元:readandwrite.blog.fc2.com(引用元へはこちらから)

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出典:10話
10話では男子の中に軽井沢さんの衣類を盗んだ人間がいるという疑惑が出ました。しかし、平田くんがうまく事実を隠蔽してくれたおかげで騒動は収束しました。

今回のサブタイはDクラス内に物を盗んだり、誰かに濡れ衣を着せたりするような裏切り者が潜んでいることを表現していたと考えられます。また、今回の犯人が物を盗んだりするような危険な本性を今まで隠していたということも表現していたように思います。

今回のサブタイはややネガティブなニュアンスがありますが、その出典は『愛と生命の摂理』という、愛について語った書物です。平田くんの愛によって事態が収束したのは、ある意味、元ネタに忠実な展開だったと言えるのかもしれません。

「しかし、概して人々が運命と呼ぶものは、大半が自分の愚行にすぎない。」

11話のサブタイはドイツの哲学者、ショーペンハウアーの名言でした。名言の出典は彼の著書『余録と補遺;哲学小論集』。
《ショーペンハウアーの思想の特徴》

世界の構造にまつわる哲学としては、非常に分かりやすく
混沌とした世界の構造を照らし出そうという心意気は、希望に満ち溢れたポジティブなものです。

反面、人間社会の本質や、 人生の意義については、
非常にネガティブなものと言えると思います。
引用元:soqdoq.com(引用元へはこちらから)
出典:11話
11話では堀北さんが風邪を引いていたことが判明し、その後、堀北さんがカードを盗まれてしまうという展開になりました。

サブタイはそういう堀北さんの『運命』は堀北さん自身の『愚行』が招いたものだと言いたいのだと思います。確かに、風邪引いてるのに休まなかったり、スパイがいると分かっているのにのんびり水浴びしたりしたのは愚かだったと言えます。

あと、伊吹さんや綾小路くんにもサブタイは関係してそうです。彼らも過去に何かしら愚行をおかして、今、窮地に立たされているのかも。

「天才とは、狂気よりも1階層分だけ上に住んでいる者のことである。」

12話のサブタイも11話に引き続き、ショーペンハウアーの名言でした。名言の出典も同じ。
余計なお世話ですが、ショーペンハウアーにはまると後々大変ですよ。妙な厭世観や離人感から抜け出せなくなってしまうのでは?

変人というか・・・。むしろ私はショーペンハウアー的なものを通過した人にしか、人間本来の生き方は出来ないと考えています。
引用元:detail.chiebukuro.yahoo.co.jp(引用元へはこちらから)
出典:12話
堀北さんに仲間を用意してあげておいて、心の中で堀北さんのことを「仲間だとは思っていない」と言い切っていた綾小路くん。行動と心情が一致しておらず、狂ってる感があり、それでいて表情は平然としていて、非常に危ない感じがしました。

そういう狂気を超えた何かを持っている綾小路くんのような人こそが天才だとサブタイは言っているのでしょう。

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