出典:40手目の局面
なんと藤井四段が指したのは、桂取りを放置して相手の桂を食いちぎる攻めの手、△4五銀でした!守りの銀と攻めの桂を交換する自爆みたいな手に見えますが、▲同銀のあと、△4七歩と打ったのが鋭い一手でした。△3八角があるので▲同金とはとれず、澤田六段は仕方なく▲3八金と逃げましたが、△4六桂と追撃されてあっというまに澤田陣が崩壊寸前になりました。
4五銀は、藤井四段の『敵陣の隙を捉える嗅覚の良さ』と『攻め合いの速度感覚の正確さ』が凝縮された一手だったと言えるでしょう。
観戦者に衝撃を与えた、藤井聡太の妙手・名手 10選(中学生編)
2018年3月に中学校を卒業した藤井聡太六段ですが、プロデビューしてからわずか1年半の間にいくつもの妙手(名手)を見せてくれました。この記事では、その中から『中田戦の5五歩』や『広瀬戦の4四桂』など、特に衝撃的だったものを10手選び抜き、1手1手、なぜ衝撃的だったのかを解説していきます。