出典:67手目の局面
藤井四段が指した一手は受けるのではなく、避ける▲9七玉でした!玉のすぐ横を飛車と香が直通しているあまりにも危なかっしい形ですが、意外にもこの状況で後手からの有効打が無く、ぎりぎりしのいでいるのです。むしろ、飛車取りがかかっている後手のほうが困っており、その後も△8四飛▲8五歩と攻め駒を攻められる展開になり、増田四段が敗勢に陥りました。
藤井四段が『自玉の不詰を読み切る力』と『自分の読みを信じて危険地帯に踏み込む度胸の良さ』を持っているからこそ指せた一手が▲9七玉だったのだと思います。
観戦者に衝撃を与えた、藤井聡太の妙手・名手 10選(中学生編)
2018年3月に中学校を卒業した藤井聡太六段ですが、プロデビューしてからわずか1年半の間にいくつもの妙手(名手)を見せてくれました。この記事では、その中から『中田戦の5五歩』や『広瀬戦の4四桂』など、特に衝撃的だったものを10手選び抜き、1手1手、なぜ衝撃的だったのかを解説していきます。