出典:35手目の局面
図は△6五桂と跳ねさせないために、中田七段が7八にいた飛車を6八に移動させたところ。中田七段が得意とするコーヤン流三間飛車の定跡形のひとつです。
藤井四段は速攻が好みのようですが、そうは言っても、ここで△8六歩と行くのは、▲同歩△同角▲8八飛△8五歩▲6六角となって、先手からカウンターで端攻めを狙われてしまい、いまひとつです。よって、後手としては中途半端な穴熊を強化すべく、△4一金あるいは△5三銀とするのが普通です。きっと藤井四段もそう指すはずと思いきや…。
観戦者に衝撃を与えた、藤井聡太の妙手・名手 10選(中学生編)
2018年3月に中学校を卒業した藤井聡太六段ですが、プロデビューしてからわずか1年半の間にいくつもの妙手(名手)を見せてくれました。この記事では、その中から『中田戦の5五歩』や『広瀬戦の4四桂』など、特に衝撃的だったものを10手選び抜き、1手1手、なぜ衝撃的だったのかを解説していきます。