2024年03月16日更新
将棋 shogi 藤井聡太

【将棋】どちらの才能が上?藤井聡太と羽生善治のデビュー当時を比較してみた!

デビュー後の連勝記録は藤井聡太(ふじいそうた)四段が29連勝中で、羽生さんは6連勝止まりなので、藤井四段の圧勝。しかし、奨励会在籍時の勝率では羽生さんが上回る。というように、両者を様々な角度から比較し、どちらの才能が上なのかを考察!運動神経や対局態度、周囲からの評判などの比較もしています。

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藤井聡太と羽生善治の年齢差

出典:www.shogi.or.jp
藤井四段は2002年生まれ、一方、羽生さんは1970年生まれ。年齢差はなんと32歳!それだけの年齢差があるわけですから、今現在の両者を比較しても意味がありません。

一方、プロデビュー時の年齢は藤井四段は14歳2か月、羽生さんは15歳2か月。差は1年だけです。これなら比較する意味があります。

以下、様々な観点から、デビュー当時の二人を比較していきます。

将棋の強さを比較

デビュー後の連勝記録 → 藤井の圧勝

出典:www.irasutoya.com
藤井四段はデビュー後、29連勝中です。一方、羽生さんはデビュー後、6連勝止まりでした。藤井四段のほうが20勝以上も上回っています。

デビュー直後は比較的弱い相手とあたることが多いです。よって、格下相手に取りこぼすことなく勝ち切る力は藤井四段のほうが優れていると考えられます。

トップクラスの棋士に挑戦した結果 → 甲乙つけがたい

出典:abema.tv
藤井四段はAbemaTVの『炎の7番勝負』という企画で、羽生さんや佐藤康光会長などのトップクラス棋士7人と対戦しました。結果は6勝1敗。

一方、羽生さんは将棋世界(雑誌)の『タイトルホルダーに挑戦』という企画で、当時のタイトルホルダー5人と対戦し、4勝1敗という結果でした。

勝率的には藤井四段のほうが上回っています。しかし、藤井四段は渡辺竜王や佐藤天彦名人との対戦はありませんでした。全タイトルホルダーと戦った羽生さんと比較すれば、楽な戦いだったと言えます。総合的に見て、両者、同等の結果だと思います。

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詰将棋を解く力 → 藤井が上回る

出典:www.chunichi.co.jp
藤井四段は小6のときに、プロも参加する詰将棋選手権で優勝し、その後、3連覇を決めています。さらに、詰将棋作家としても一流だという評判です。

一方、羽生さんは終盤力の高さは評価されていましたが、それほど詰ます力は注目されませんでした。元・近代将棋編集長によれば、「羽生流はたとえば、長い詰みより短い必死」とのことで、羽生さん自身、詰ますことを重視していないのかもしれません(詳細は下記記事で)。

ということで、詰ます力は藤井四段のほうが優れていると考えられます。

ど根性 → 羽生が上回る

出典:www.excite.co.jp
藤井四段は初めての順位戦で瀬川五段と戦ったのですが、23時頃まで激闘が続き、対局後はかなり疲れた様子でした。対局後のインタビューでは、「体力勝負で集中力を欠いた」と語っていました。

一方、羽生さんについては、元・将棋世界の編集長の大崎善生さんが「顔が真っ青になっても強かった」と語っています。

体力や根性については、羽生さんが上回っていると考えられます。
藤井四段「終盤に(相手の手を)うっかり見落として負けにしたかと思った。持ち時間6時間の対局は非常に楽しみにしていたが、体力勝負でところどころ集中力を欠いてしまった。しっかり反省していかないといけない」
引用元:www.sanspo.com(引用元へはこちらから)
--羽生さんはデビュー以降、重圧を感じている様子はなかったですか。

大崎さん 羽生さんはプレッシャーがかかればかかるほど強かったですね。対局がびっしりと立て込んで、2週間も家に帰れなくなって、顔が真っ青になっても、そういう状況になればなるほど強かった。
引用元:mainichi.jp(引用元へはこちらから)

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棋風 → どちらも一長一短

《野月浩貴八段のコメント》
「七番勝負」では藤井四段の序盤巧者ぶりが印象に残った。羽生王座もデビュー直後から勝ちまくっていたが、序盤は粗削りで中終盤に腕力や瞬発力でひっくり返して勝つことが多かった。
引用元:style.nikkei.com(引用元へはこちらから)
というように、藤井四段が序盤から終盤までバランスよく強いのに対し、羽生さんは終盤特化型でした。そう言われると、藤井四段のほうが優れているように思うかもしれません。しかし…。
出典:matome.naver.jp
羽生さんの終盤は羽生マジックという言葉が生まれるほどの異質なもので、終盤が強いという言葉だけで片付けられるものではありませんでした。久保王将は藤井四段の棋風について「いい意味で特徴がない」と説明しており、終盤の異質さは羽生さんにあって藤井四段にないものだと言えます。

序盤が荒いけど異質な終盤力を持っていた羽生さんと、特徴はないけど序盤も終盤も強い藤井四段。一概にどちらの棋風が優れているとは言えません。
《羽生マジックの詳細》

羽生マジックとは羽生善治が将棋の中終盤でみせる妙手のこと。まるでマジックをみせられたかのような信じられない手を指して大逆転することからこの名がついた。

羽生は『日本将棋用語事典』(2004)での談話では、「羽生マジックを(極論すれば)「複雑化を目指す一手という感じ」としている。
引用元:ja.wikipedia.org(引用元へはこちらから)

将棋のポテンシャルを比較

奨励会成績 → 羽生が上回る

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出典:www.asahi.com
奨励会の6級から四段に上がるまで、藤井聡太四段は132勝76敗(勝率63.5%)という成績でした。一方、羽生さんは112勝52敗(勝率68.3%)。

昔と今とでは奨励会の昇段システムが違っているとはいえ、羽生さんのほうがより高い勝率、より少ない対局数で四段昇段を決めていることは注目に値します。コンスタントに成長を続ける力は羽生さんのほうが上回っていると言えるでしょう。

向上心 → 藤井が上回る

出典:page.auctions.yahoo.co.jp
藤井聡太四段は扇子に「大志」「達心志」などと揮毫していることからも分かるように、高い志を持った人物です。そして、四段昇段してすぐの頃、目標とする棋士を聞かれて凄い回答をしていました。
藤井四段「目標にする棋士はいません。将棋という伝統文化を意識し、すごく強い棋士になりたいです」
引用元:www.shogi.or.jp(引用元へはこちらから)
藤井四段「少しでも最善に近づくことを目標にしているので、具体的に憧れの先生がいるというわけではないです。」
引用元:www.nhk.or.jp(引用元へはこちらから)
一方、羽生さんはというと、尊敬する棋士を聞かれて「将棋と人間的に中原名人」と答えています。

尊敬しているというのは裏返せば、自分より上の存在だと思っているということです。目標とする棋士がいないと言い放った藤井四段のほうが、上を目指す意識は強いと言えるでしょう。

戦型の多様性 → 羽生が上回る

出典:shogidb2.com
こちらはデビューから3ヶ月が経った頃の羽生さんの棋譜。陽動振り飛車という変わった戦型を指しており、当時からオールラウンダーだったことが分かります。

一方、藤井四段はデビュー後、居飛車オンリーで、それも角換わりになることが多く、戦型に偏りが見られます。

戦型が偏りすぎることは棋力を向上させる上で良いことだとは言えません。たとえば、渡辺竜王も「横歩取りばっかり指していると進歩が無い」と言っています。また、振飛車党だった里見香奈女流名人が奨励会入会後に居飛車も指すようになったことは有名です。

戦型選択から考えると、藤井四段の棋力向上が安定して続くか、少し気になるところです。

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脳内将棋盤の性能 → 互角?

プロは誰しも脳内に将棋盤を持っていて、目を瞑っていても先の手を読むことができるものですが、藤井四段と羽生さんの場合はその脳内将棋盤がちょっと特殊なようです。駒を動かさず、符号で考えるだけで、局面が浮かび上がってくるのだとか。
――藤井四段は、将棋の場面を図面で考えるのか、棋譜で考えるのか、どちらのタイプですか。

聡太 基本的に、符号で考えて、最後に図面に直して、その局面の形勢判断をしています。
引用元:shuchi.php.co.jp(引用元へはこちらから)
羽生:頭の中で読み進めるとき、指し手は符号で進み、駒が頭の中で動くことはない。最後に局面を判断するときになって、局面が浮かんでくる。

松原:そろばんについての研究によると、そろばんがうまい人は頭の中でそろばんが動く。もっとうまい人は頭の中にそろばんが出てくることはない。
引用元:d.hatena.ne.jp(引用元へはこちらから)

好きな駒 → 藤井が上回る?

《藤井四段の回答》
難しいですけど、強いて言えば『角』です。使い方によってかなり働きが違ってくるので、難しさとともに、面白さを感じます
引用元:www.asahi.com(引用元へはこちらから)
《羽生さんの回答》
好きな駒は「銀」。理由は「地味だけれど攻守の要で、縁の下の力持ち的な存在だから」
引用元:www.asahi.com(引用元へはこちらから)
《藤井四段の師匠、杉本七段の解説》
『角という駒は使う人を選ぶ』といいますか
非常に強い駒ですけど使いこなすのが難しい駒でもある
才能のある人が使うと非常に強い働きをする駒で
藤井四段はあの角を使うのが抜群にうまい
引用元:medaka.2ch.net(引用元へはこちらから)
羽生さんはバランス重視、藤井四段は機動力重視という感じでしょうか。杉本七段いわく、角は使いこなすのが難しい駒ということなので、難しいことに挑戦している藤井四段のほうがポテンシャルは上だろうと思います。

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師匠の優秀さ → 甲乙つけがたい

弟子の羽生と初対戦した二上達也「ここは師匠の意地を見せてやろうと気合を入れたが、結果は私の完敗だった。このとき引退を決意した」
引用元:blog.livedoor.jp(引用元へはこちらから)
藤井四段の師匠の杉本七段は弟子と対局して負けまくっても平然としていて、藤井四段を褒めまくっています。一方、羽生さんの師匠は負けるのが嫌で羽生さんと対局したくなかったようです。相手をしてくれる師匠のほうが弟子にとってはありがたい存在でしょうが、しかし、師匠としての威厳が保てなくなりそうで、どうなのかという面もあります。どっちの師匠が良い師匠なのかは何とも言えません。

盤外の様子を比較

対局態度 → 羽生が上回る

出典:book.mynavi.jp
藤井四段(画像左)は集中しすぎて盤に接近し、盤を頭で覆ってしまうことがあります。また、悪手に気付いたのか、突然、自分の足をパンと叩いたこともありました。

一方、羽生さんは…。
出典:6shogi.com
盤から離れており、特に盤に覆いかぶさるような様子は見られませんでした(画像左)。足を叩いたこともなかったはずです。対局態度に関しては羽生さんが上回っていると考えていいでしょう。

羽生さんの対局態度で問題があったとすれば、羽生睨みぐらいでしょうか。
プロは対局中にほとんど相手の顔を見ないそうですが、若いころの羽生さんは時々見ることがあり、それが羽生にらみと呼ばれました。

十代のころの羽生さんは羽生にらみ以外に投げっぷりの悪さと寝癖が知られていましたが、いつの間にかなくなりましたね。
引用元:detail.chiebukuro.yahoo.co.jp(引用元へはこちらから)

学歴 → 藤井が上回りそう

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出典:www.facebook.com
藤井四段は名古屋大学教育学部附属中学校に通っており、おそらくエスカレーター式で名古屋大学教育学部附属高校に進学するものと思われます。その高校の偏差値は62となっています。

一方、羽生さんは東京都立上野高校(通信制)を卒業しています。その高校の偏差値は60です。

学歴では藤井四段が上回る可能性が高そうです。

周囲からの評価 → 藤井の圧勝

つばさ‏ @tsubasanano さんのツイート

ニコ生の将棋中継はよく視聴者からの質問にお答えするのだけど、今日は解説が藤井猛ということで藤井聡太四段についての質問が来ていて、藤井猛いわく

「羽生さんが四段に上がった時は谷川先生と比較されて、『羽生は谷川ほどじゃないのでは』という天才に対する嫉妬というかね。今は藤井くんすごいねっていう感じで当時とは違うなと。いや、本当に強いんだけども」

と。なるほどねぇ…羽生に対して当時はいろんなあったんだねぇ。そう考えると今はだいぶ将棋界も変わったということなのかな。
引用元:twitter.com(引用元へはこちらから)
藤井四段と違って、羽生さんはけっこう貶されていたようです。そういう違いが出た理由は、おそらく、藤井四段が先輩棋士に勝っても…。
出典:blogs.yahoo.co.jp
「望外」「僥倖」などと言って、常に謙虚な態度をとっているためでしょう。周囲からの評価については藤井四段が羽生さんをかなり上回っていると言えます。

注目度 → 藤井の圧勝

羽生さんのデビュー戦は、写真週刊誌が「天才棋士がデビューする」ということで来てはいました。でも、藤井さんのデビュー戦は報道陣が将棋会館に入りきれないくらい多かったみたいですね。
引用元:mainichi.jp(引用元へはこちらから)
羽生さんも藤井四段と同様に中学生棋士ということで注目されていましたが、藤井四段とは違って最年少棋士ではなかったので、注目度に差が出たのだと思われます。また、羽生さんの場合、デビュー当時、谷川浩司という現役バリバリで活躍している大スターがいたことも大きかったと思われます。

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