成田市に新たな観光と産業の拠点ができるって噂を検証してみた!
羽田空港と並び、日本の空の玄関口と称される「成田国際空港」。千葉県成田市に位置しており、年間の利用者数は約4千万人を超えます。この空の玄関口と言われる成田市に、観光と産業の新たな拠点ができると噂されています。今回はこの噂の真相を調査してみました。
羽田空港と並び、日本の空の玄関口と称される「成田国際空港」。千葉県成田市に位置しており、年間の利用者数は約4千万人を超えます。この空の玄関口と言われる成田市に、観光と産業の新たな拠点ができると噂されています。今回はこの噂の真相を調査してみました。
成田市ってどんなところ?
成田市は、千葉県の北部中央に位置している中核都市で、北は利根川を隔てて茨城県と接し、西には県立自然公園の印旛沼、東は千葉県香取市と接している市です。
北部から東部にかけての丘陵地には工業団地やゴルフ場が点在し、南には冒頭にて説明しました日本の空の玄関口、成田国際空港が位置しています。
市の中心部である成田地区には歴史ある成田山新勝寺があり、毎年多くの参拝者で賑わっています。
豊かな水と緑に囲まれた伝統的な姿と空の玄関口という国際的な姿が融和した美しい都市が成田市です。
成田市の魅力
成田市の魅力といえば、やはり成田山新勝寺とそれに連なる成田山公演と成田山表参道です。成田山新勝寺は平安期に天皇によって命じられ、御護摩祈祷によって平の将門の乱を収束させたと言われています。それ以来、一日も欠かさずに御護摩祈祷が続けられており、誰でも堂内に上がって参拝することが可能です。
また、新勝寺総門に繋がる約800メートルの表参道には情緒あふれる建物が並び、今でも江戸時代の面影を色濃く残しています。成田市の食の名物でもあるうなぎ料理を出す食事処や土産屋が軒を連ね、多くの参拝客を迎え入れ、年間を通して賑わっています。
また、空の玄関口と称される成田国際空港は、日本と世界38か国3地域から110都市を結び、日本の要所となっています。観光スポットとしても人気で、ターミナルの見学デッキからは滑走路や迫力ある離着陸を自由に観賞できます。国際空港ならではのお店もそろっており、買い物や食事の場としても利用されています。
成田都市計画 地区計画(小菅地区)
では、この成田市に新たなる拠点ができるという噂は、どこから来たのでしょうか。火のない所に煙は立たぬと言いますが、やはりそこには「面白そうな計画」がありました。
成田市のHPに、「成田都市計画 地区計画(小菅地区)の決定の告示」というお知らせが掲載されています。どんな中身かというと、次のようになっていました。
市では、空港利用者のための宿泊施設やインバウンド需要を受け止めるための商業・娯楽施設、広域交通ネットワークを生かした流通業務施設や国際展示場、再生医療などの高度な医療研究を行う研究施設など、民間の開発を誘導し、空港周辺地域に新たな産業拠点を形成するため、平成31年4月5日付けで小菅地区地区計画を決定しました。
引用元:www.city.narita.chiba.jp(引用元へはこちらから)
この告示をみるに、相当大規模な計画ということが一目でわかります。
この計画が該当する地区は、成田国際空港の北西約1㎞、成田ICがすぐそばと、アクセスは抜群の地区です。面積でみると約42.6haとなっており、東京ドーム換算すれば、約9個分となります。
そして、成田市の公示から約6年。今回なんとこの地区計画の土地利用に関するマスタープランが決定したようです。
いよいよ噂の真相を確かめられる時がきました。
『GATEWAY NARITA』マスタープラン
成田市小菅地区の地区計画マスタープランは『GATEWAY NARITA』と表現されているようです。コンセプトは「賑わいの創出と新たな産業振興」をテーマとしています。
「世界中から、成田を目指して人々が集まる、観光と産業のGATEWAY」
「2030~2040年代のメガトレンドを踏まえたファシリティを実装した街づくり」
これらを実現するためのマスタープランが、4年という歳月をかけて練られたということです。
観光の拠点としては、日本初となる『デジドーム』や充実した宿泊・飲食施設の建設し、ナイトタイムエコノミー活性化への貢献を目指しているようです。また、産業の拠点としては、国際会議場やコンベンションセンター、大規模なフードテック施設を建設し、「日本食および日本の食文化を海外発信」する拠点(日本版フードバレー)としても機能させるとされています。そして、これらの施設は今後のメガトレンドとなるエネルギー問題やごみ問題、移動手段等のインフラを先取りする構成とすることを目指していると言います。
このグローバルな都市にふさわしいデザインとなるよう、設計に関しては世界中の都市のデザインを行ってきたNYのラグアルダ・ロウ・アーキテクツ(以下、LLA)に依頼しています。
LLAの設計では、次の5点が主題となっています。
①人々に認識されやすい高地に、街のランドマークとなるデジドームを設置する
②年間400万人の集客を目標とする
③デジドームは、海外アーティストを招いたイベント・国際会議の開催、また、日本文化に関連するオリジナルコンテンツの上映も含め、多様な用途で活用していく
④1000室以上の宿泊施設や飲食施設を展開し、ナイトタイムエコノミーの活性化も視野に入れる
⑤国際会議場(MICE)やコンベンションセンターの開発、大規模なフードテック企業向けR&D施設を併設し、「日本食および日本の食文化を海外へ発信する拠点(日本版フードバレー)となることを目指す。
今回の計画は、未来のわくわくする街づくりの視点を先取りした「グローバル都市の模範」となるようなマスタープランを目指し構築してきた、とLLA共同代表の重松氏は語っています。
デジドームは2024年時点でラスベガスにしか存在しない施設であり、完成すれば成田はアジアを代表する魅力的な都市になることは間違いありません。
また、ゴミの回収や循環に関わる業務は大部分が自動化される予定で、世界中から新しい技術を集めて、これからの時代に合わせた運用を考えているようです。
当然、宿泊・商業・飲食の各施設の運営形態にも新しい技術を取り入れ、無理なく運営できる施設設計になっているとのこと。
このように、GATEWAY NARITAの完成は、日本のみならず世界においても数少ない近未来都市の実現を意味することになります。
GATEWAY NARITAが新たな拠点となって、成田市のみならず日本の産業の拠点になることが期待できますね。
デジドームとデジタルツーリズム
デジドームは、先ほどご紹介した通り、2024年現在はラスベガスにしか存在しません。
GATEWAY NARITAのデジドームには、臨場感あふれる大型のLEDスクリーン搭載が予定されており、世界最大級かつ精密な解像度で最先端4D技術も活用されるようです。
スピーカーの設置数は驚異的で、かつ、特定の方向に音を飛ばすことができる技術を活用し、エリアによって言語を変えることも可能だと言います。
AIロボット対話やメタバース上でのアバター製作体験等、シアター入場前にも時代の先を行く技術の体験が可能です。
集客コンテンツのコンセプトにまつわる各地の景観やサブカルチャーの映像を再現し、広告としての活用も期待されています。
こういった技術を活用し、「成田から世界へ」日本の魅力を発信する施設としての利用も期待されます。日本の文化・自然・建築物の魅力をありのまま伝えられるデジタルコンテンツは、日本の空の玄関である成田との相性抜群です。
また、先端デジタル技術を活用した没入体験により、「成田から日本中へ」自由自在に巡るデジタルツーリズムの体験もより高次元のものになることが期待されます。
仮想空間ならではの空間表現とストーリーによって、日本各地の魅力的な観光地や地場産品のプロモーションにつながり、地方創生や観光活性への貢献も期待できるでしょう。
まとめ
ついに明らかになった成田市小菅地区の地区計画マスタープラン「GATEWAY NARITA」。今後より詳細な情報が公開されるのが待ち遠しいですね。
今後のスケジュールとしては、まずはインフラ計画に着手するようです。
敷地は現在造成中とのことで、2025年秋までに建築に着工できる状態まで仕上げる予定になっています。
そして、2026年12月までには一部の施設の施工に着手し、開業準備が開始される予定です。
2027年春には商業複合施設とデジドームの開業が予定されています。
デジドームは世界で2番目の施設となります。どんな体験ができるのか、今から楽しみでなりませんね!