イタリアが中国の「一帯一路」からの離脱を示唆している。債務の罠など悪評が付きまとう「一帯一路」。安倍元総理はずいぶん早い段階から構想の問題点を指摘していた。そして岸田総理はさらに厳しい姿勢で対抗策を打ち出している。このまま世界で横暴を振るう中国に屈することなく、日本をリードしていってほしい。
目次
イタリアのメローニ政権が中国の広域経済圏構想「一帯一路」からの離脱を模索している。権威主義的な中国の影響力拡大への懸念が広がり、経済面の恩恵が乏しいことへの不満も強まったためだ。対中関係の悪化による経済への打撃はできる限り避けたい考えで、年末に向けて離脱への軟着陸を探るとみられる。
イタリアは欧州連合(EU)懐疑派のコンテ政権時の2019年、主要7カ国(G7)として唯一、一帯一路への協力の覚書を結んだ。覚書の期限は24年3月で、その3カ月前までに離脱を表明しなければ自動更新される。
引用元:www.nikkei.com(引用元へはこちらから)
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一帯一路とは、2013年に中国の習近平国家主席が提唱した中国主導の経済圏構想だ。一帯一路の「一帯」とは、中国から陸路でバルト海、地中海、インド洋を結ぶ3ルート、「一路」は海路でインド洋〜欧州、そして南太平洋を結ぶ2ルートを表している。中国はこれら5つのルート上にある発展途上国を中心に、鉄道や港湾などのインフラ整備を進めていく考えだ。
習氏の主張によれば、一帯一路は「開放型の世界経済システムを守り、多様で、自主的で、均衡のとれた、持続可能な発展を実現する」ことと「地域協力を深化させ、文明の交流・相互参考を強化し、世界の平和・安定を守る」ことを目的とする。しかし米国など西側諸国では、一帯一路の狙いが親中国圏を広げることにあるとし、中国の覇権主義の表れだとする警戒感も根強い。
引用元:business.nikkei.com(引用元へはこちらから)
中国との契約は、多くの秘密条項を含んでいる。例えば、途上国がデフォルトを起した場合、債務の肩代わりに天然資源の掘削権あるいは不動産開発権を中国企業に譲渡しなければならない、とする条項が含まれていることは稀ではない。
資源の採掘権を外国に明け渡してしまうことには国民の反対が強く、その反対を受けて政府は中国と解約交渉に入らざるを得なくなることが多いが、いざ解約しようとすると、その際に課されるペナルティーの額が非常に高く設定されていたことが分かり、結局は契約解除を諦めざるを得なくなるのだ。
引用元:jbpress.ismedia.jp(引用元へはこちらから)
解約とまではいかなくとも、契約の内容が不当であるとして、投資紛争に持ち込むことはできるが、いざ投資紛争に持ち込もうとすると、今度は「仲裁は中国国内で、しかも中国の手続きに従って行わなければならない」とする契約条項が効いてきて、結局は勝ち目はないことが分かり、諦めてしまうことになるのだ。
一帯一路下のプロジェクトにはこのような一方的な内容の契約条項が数多く含まれており、その契約は原則外部秘となっている。
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中国流のやり方に問題が噴出します。
スリランカ政府は中国の援助で建設した南部ハンバントタ港の11億ドルにのぼる債務返済に窮して、港湾管理会社の株式の70%を99年間、中国企業に譲渡しました。
クロアチアにある全長2.4キロメートルの橋の建設工事を中国の企業連合が落札しましたが、オーストリアの入札参加者が不当に低い価格で入札が行われたと疑義を申し立てました。
セルビアの首都ベオグラードとハンガリーの首都ブダペストを結ぶ鉄道工事をめぐっては中国の出資者とハンガリーの発注者の間で不透明な契約が結ばれたため、EUが待ったをかけました。
アジア開発銀行(ADB)は2016~30年の間にアジアは26兆ドルのインフラ投資を必要としていると分析しています。中国流のやり方で「一帯一路」が整備されていくと、アジアやアフリカの途上国は中国マネーの借金漬けにされ、仕事の大半は中国企業に持っていかれてしまう恐れがあります。
引用元:news.yahoo.co.jp(引用元へはこちらから)
伊政府の統計では、中国からの輸入額は19年の317億ユーロ(約4兆9000億円)から22年は575億ユーロ(約8兆9000億円)に増えた一方、輸出額は130億ユーロ(約2兆円)から164億ユーロ(約2兆5000億円)と微増にとどまり、貿易赤字も拡大した。
イタリアにとって実利がない一帯一路への不満は、昨年10月に中国に厳しい姿勢をとるメローニ首相が就任したことで高まった。メローニ首相は「一帯一路に参加しなくても良好な対中関係は可能だ」と離脱を示唆し、7月27日のバイデン米大統領との会談でも一帯一路の離脱について意見交換した。今後、イタリア国会で離脱についての議論が進められる見通しだ。
引用元:www.yomiuri.co.jp(引用元へはこちらから)
イタリアが一帯一路への参加で合意したのは2019年3月。EU懐疑派だった当時のコンテ政権が、中国の巨額投資を財政難解消の足がかりにすることを狙った。だが、コロナ禍もあって中国からの投資は進まず、英紙フィナンシャル・タイムズによると、19年に6億5000万ドル(約910億円)だった中国からイタリアへの直接対外投資は、22年は9110万ドル(約128億円)に減った。
引用元:www.yomiuri.co.jp(引用元へはこちらから)
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イタリアのクロセット国防相は、同国が2019年に中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に参加したことについて、「行き当たりばったりでぞっとさせる決定だった」と当時の政権を批判した。30日付の地元紙コリエレ・デラ・セラとのインタビューで語った。
イタリアは西側主要国で唯一、一帯一路に参加。同構想を巡っては、中国の地政学的影響力拡大の道具となっているとの指摘がある。
クロセット氏は、中国からの輸入が増加する一方で対中輸出にはほとんど変化がなかったと指摘。
引用元:jp.reuters.com(引用元へはこちらから)
空約束🔳イタリアで中国「一帯一路」への不満高まる、経済的な恩恵乏しく離脱も : 読売新聞オンライン https://t.co/gZAMAnYsY6
— 渡邉哲也 (@daitojimari) Aug 2, 2023
イタリアが一帯一路の協定から抜けることは中国にとっても大きな衝撃だ、という議論があちこちで起きているが、イタリアからすれば約束されていた投資額に届かず、メリットがなくなったから、というのが大きいのだろうな。https://t.co/c7eCc6NzHe @scmpnewsより
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) Aug 6, 2023
安倍総理大臣は一帯一路構想を掲げる中国をけん制しました。
6月に大阪で開かれるG20=20の国と地域の首脳会合を前に、各国を歴訪中の安倍総理は、2ヵ国目となるイタリアを訪問しました。首脳会談でイタリアのコンテ首相は、25日から中国で開かれる巨大インフラ整備がテーマの「一帯一路フォーラム」に出席すると説明しました。これに対し安倍総理は、第3国のインフラ整備では、その国の財政健全性や、プロジェクトの透明性を重視するとした日本の方針を伝えました。
中国については、インフラ投資で相手の国を借金漬けにしているとの批判があり、苦しい財政状況から中国への接近が目立つコンテ首相に対し、中国との向き合い方に注文を付けた形です。
引用元:txbiz.tv-tokyo.co.jp(引用元へはこちらから)
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安倍首相は首脳会議で中国やトランプ大統領を念頭にこう訴えました。
「自由貿易体制については、貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもならず、過剰生産能力の解決や、市場歪曲的な措置を除去する取組を進めていくべきだ」
「質の高いインフラについて、アジアと欧州の発展には連結性強化が不可欠であり、そのためにも質の高いインフラを国際スタンダードとしていくべきだ」
「日本が推進する『自由で開かれたインド太平洋』の実現は、アジア・欧州の連結性強化にも貢献するものである」
引用元:news.yahoo.co.jp(引用元へはこちらから)
安倍首相が欧州やアジア各国の首脳にアピールしたいのは鉄道や地下鉄、道路、発電所など質の高いインフラ輸出です。
背景には「鉄」に代表される国内の過剰生産問題を解消するため世界にインフラ輸出をする中国の「一帯一路」に対抗する狙いがあります。
引用元:news.yahoo.co.jp(引用元へはこちらから)
安倍晋三首相は25日の参院予算委員会で、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に日本が協力するには、適正融資による対象国の財政健全性やプロジェクトの開放性、透明性、経済性の4条件を満たす必要があるとの認識を示した。「(4条件を)取り入れているのであれば、協力していこうということだ。全面的に賛成ではない」と述べた。
引用元:www.sankei.com(引用元へはこちらから)
一帯一路では、対象国に対する中国の過剰融資が国際的に問題視されている。首相は「(対象国に)経済力以上に貸し込むと、その国の経済の健全性が失われてしまう」と指摘。
首相は「アジアのインフラ需要に日本と中国が協力して応えていくことは両国の経済発展にとどまらず、アジアの人々の反映に大きく貢献をしていくことになる。(4条件)をやっていくことで、お互いより良い地域を作っていこうということだ」と語った。
引用元:www.sankei.com(引用元へはこちらから)
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ドイツ南部エルマウで開かれている先進7か国首脳会議(G7サミット)は26日午後(日本時間27日未明)、途上国などへのインフラ投資を促進する新たな枠組みの創設で合意した。岸田首相は、中国の途上国支援を「不公正で不透明」と厳しく批判し、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する枠組みであることを鮮明にした。
引用元:www.yomiuri.co.jp(引用元へはこちらから)
岸田首相は「ただ多くのインフラを整備すれば良いわけではない。実行困難な債務返済計画により、支援を受けた国が債務不履行に陥れば、むしろその国の成長を阻害してしまう」と指摘し、透明性や持続可能性のある質の高いインフラ投資が必要だと述べた。
引用元:digital.asahi.com(引用元へはこちらから)
ドイツ南部エルマウで開幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)で26日、中低所得国に向けたインフラ整備に今後5年間で6千億ドル(約81兆円)の投資を目指すことを各国首脳が発表した。
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