2024年03月24日更新
岸田総理 2024年問題 物流業界

今後何もしなければ輸送能力の3割を失う?物流業界『2024年問題』対策に岸田総理が本腰を入れ始めた

日本の物流を揺るがす「物流業界2024年問題」対策に岸田総理が本腰を入れ始めた。働き方改革慣例法でトラック運転手の労働環境が好転する一方で、人材不足や輸送量の低下という課題が表面化するのが「2024年問題」だ。総理にはこれまでのように現場の声を取り入れながら効果的な対策してくれることを期待したい。

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▼物流業界の「2024年問題」対策に岸田総理が本腰を入れ始めた

令和5年3月31日、岸田総理は、総理大臣官邸で第1回我が国の物流の革新に関する閣僚会議を開催しました。
 会議では、物流をめぐる現状と課題について議論されました。
 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

 物流は国民生活や経済を支える社会インフラですが、担い手不足、カーボンニュートラルへの対応など様々な課題に直面しています。物流産業を魅力ある職場とするため、トラックドライバーに働き方改革の法律が適用されるまで、明日でちょうど1年となります。
 一方、一人当たりの労働時間が短くなることから、何も対策を講じなければ物流が停滞しかねないという、いわゆる2024年問題に直面しております。
 これに対応するため、荷主・物流事業者間等の商慣行の見直しと、物流の標準化やDX(デジタル・トランスフォーメーション)・GX(グリーン・トランスフォーメーション)等による効率化の推進により、物流の生産性を向上するとともに、荷主企業や消費者の行動変容を促す仕組みの導入を進めるべく、抜本的・総合的な対応が必要です。
 このため、物流政策を担う国交省と、荷主を所管する経産省、農水省等の関係省庁で一層緊密に連携して、我が国の物流の革新に向け、政府一丸となって、スピード感を持って対策を講じていく必要があります。
 そこで、1年以内に具体的成果が得られるよう、対策の効果を定量化しつつ、6月上旬をめどに、緊急に取り組むべき抜本的・総合的な対策を政策パッケージとして取りまとめてください。
引用元:www.kantei.go.jp(引用元へはこちらから)

▼リミットまであと1年…!待ったなしの『2024年問題』とは?

近年、労働者不足やEC市場の成長の中でトラックドライバーの負担は重くなるばかり

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これまでトラックドライバーの労働環境は、長時間労働の慢性化という課題を抱えていました。
若手不足と高齢化による労働力不足の中、EC市場の急成長による宅配便の取り扱い個数の増加により
長時間労働が常態化していたのです。

引用元:www.traffic-probe.jp(引用元へはこちらから)
2024年、そんな自動車運転業務の労働環境のホワイト化を目指す『働き方改革関連法』が発動!
しかし労働環境は好転するはずの一方で、輸送量や人材不足など別の問題も発生。つまり...


『2024年問題』とは⇒トラック運転手に向けた『働き方改革』で発生する物流業界の諸問題のこと

出典:www.e-toms.com
時間外労働時間が年間960時間
超過分の労働に対する割増賃金が1.5倍へ(2023年~)


物流を支えてくれるドライバーの労働環境が改善される。
しかし一方で別の懸念も発生してしまう。それが『2023年問題』
働き方改革関連法によって、2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用されることにより生じる物流業界の諸問題のこと。

具体的には、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限されるほか、2023年からは時間外労働時間が60時間を超える超過分の割増賃金がこれまでの1.25倍から1.5倍になる。
引用元:www.lnews.jp(引用元へはこちらから)

▼物流業界が懸念しているのは「人手不足」「経費、賃金」「輸送能力不足」

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LNEWSは物流の2024年問題について、読者を対象に対応状況や具体的な対策についてアンケート調査を行った。

調査結果によると、回答者の7割以上が何等かの対策を実行・計画しており、最も多かったのは「運賃交渉、輸配送コストの見直し」で2割強、一方で懸念事項としては「人材・人手不足」がトップだった。
引用元:www.lnews.jp(引用元へはこちらから)
人手不足は業界全体の課題だが、運賃確保や労働環境の改善は物流事業者だけでは実現が難しい。とはいえ、2024年は待ったなし。労働時間を短縮するために地域・業種の枠を超え、一歩踏み込んで連携・協業する動きもみられた。
引用元:www.lnews.jp(引用元へはこちらから)

人材不足かつ輸送力不足で『荷物が運べなくなるかも』問題

ドライバーの年間の拘束時間は、3516時間から3300時間に制限されます。

健康を守るために必要な措置ですが、民間のシンクタンクの調査では、7年後の2030年には35%の荷物が運べなくなる可能性があるとされています
引用元:www3.nhk.or.jp(引用元へはこちらから)
2024年時点で不足する輸送能力を業界別に見ると、一番危機的なのは農産・水産品出荷団体で輸送能力は32%不足すると試算されています。野菜や魚が3割ほど届かなくなるということです。発地別で見ると、九州と中国の輸送能力が2割程度不足します。関東圏への長距離輸送の多さが原因と推察されます。現在の運行体制を維持しようとすると、2024年に彼らは関東まで運べないわけです。

 だから2024年問題が生活者に与える一番のインパクトは宅配物が届かなくなるのではなく、関東のスーパーに九州の野菜が並ばなくなるということなのです。これが物流業界における2024年問題なのです。

引用元:jbpress.ismedia.jp(引用元へはこちらから)

輸送量減少や人件費増で『業者の利益が減少するかも』問題

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規制により、1日に運べる荷物の量が減るため、運賃を上げなければ収入が減少してしまいます。
しかし、運賃を上げることは容易ではありません。6万社を超える運送業者の過当競争の中、
荷主企業はより運賃の安い業者へ依頼するため、運送業者が荷主と価格交渉しにくい現状があります。
引用元:www.traffic-probe.jp(引用元へはこちらから)
また、中小企業で月60時間の時間外労働が発生した場合には、2023年の法施行により
割増賃金率が25%から50%へ引き上げられることから人件費が増加し、利益の減少に繋がります。
引用元:www.traffic-probe.jp(引用元へはこちらから)

1日に走れる距離が減って『ドライバーの賃金減少するかも』問題

そしてその『賃金減少からの人材不足の加速』という悪循環にもハマりかねない
トラックドライバーは走行距離に応じて運行手当が支給されるため、本来であれば走れば走るほど収入が増えるのですが、労働時間の規制により走れる距離が短くなれば収入が減少してしまいます。

収入が低いとなれば離職に繋がる可能性もあり、労働力不足に拍車がかかる恐れもあります。

引用元:www.traffic-probe.jp(引用元へはこちらから)

▼中長期的にデジタル技術を活用した対策も進められている

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自動運転技術「自動運転レベル4」を活用した人材不足問題への対応

『自動運転導入』『宅配ロボット活用』で、ドライバー不足を克服したり宅配需要を解消をしたり人材不足をデジタル技術で補う方向で進められるよう、法整備と技術改革が進んでいる。

物流業務におけるDX導入を促進している

例をあげればキリはないが、以下のように物流倉庫でもデジタル技術を活用した人材不足問題解消、
作業の効率化や各種管理のデジタル化などが進められている。
(国土交通省HP、引用「物流・配送会社のための物流DX導入事例集」)

1.倉庫のデジタル化の事例
1-1.携帯電話と連動したバース予約・受付システムで待機時間を短縮
1-2.物流容器在庫管理システムで複数拠点の混在パレットを一元管理
1-3.複数倉庫を一元管理できるWMSの導入で一時的な繁忙期にも対応
1-4.倉庫への一括問合せから入出荷管理までできる倉庫利用サービス

2.倉庫の自動化・機械化の事例
2-1.荷下ろしロボット導入で複数品種ケースの荷下ろし作業を自動化
2-2.台車型物流支援ロボット導入により工場内の物の移動を自動化
2-3.ハンドリフト牽引型AGVで物流倉庫内入出庫作業の生産性を向上
2-4.AGFで出荷準備を自動化、縦持ち作業を効率化
2-5.コンテナからの荷下ろし・積込みが高速、全方向移動、全自動運転に
2-6.次世代物流センターで保管・ケースピッキング業務の自動化を推進
2-7.簡単に利用できる倉庫ロボットで自動化を実現

3.倉庫のデジタル化・自動化・機械化の事例
3-1.RFIDと仕分けシステムの導入で入出荷検品、仕分けの生産性向上を実現
3-2.倉庫の自動化設備と制御システムを複数荷主でシェアリング

4.配送のデジタル化の事例
4-1.AI点呼ロボットの導入で運行管理者の負荷を低減
4-2.自動配車クラウド導入で土地勘や経験なしでも配車業務の標準化に成功
4-3.輸送業務のデジタル化によりペーパーレス化と事務員の業務効率化を実現
4-4.GPS端末を車両に装着するだけで、簡単に車両の動態管理が可能
4-5.AI-OCRの導入で点検記録等の手入力業務をデジタル化して省力化
4-6.AIにより異業種の荷主をマッチングし、共同輸送の機会を創出
4-7.荷主とドライバーを直接繋ぐ配送プラットフォームを提供
4-8.電子マニュアルでマニュアル作成の負荷軽減と宅配業務を平準化

5.配送の自動化・機械化の事例
5-1.過疎地域でドローンの商用サービス開始! 商品をドローンが配送
5-2.空飛ぶデリバリーサービスで買物困難者を支援

▼この『2024年問題』で物流業界が国に求めるのは「法制面の整備」

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国の支援では何が必要か、という質問に対して、最も多かったのは「法制面の整備」(54.9%)、次いで「金銭面での支援」(26.7%)、「人員面での支援(外国人対応等)」(12.8%)の順。物流事業者、荷主をはじめほとんどの業種で「法制面の整備」を求めるという回答が多くみられた。
引用元:www.lnews.jp(引用元へはこちらから)

▼これまで「現場の声」を政策に生かすことに努めてきた岸田総理

就任以来、車座対話などで多くの国民と直接対話してきた岸田総理。そういった活動で得た現場の声は実際の政策にもしっかり生かされている。その一例がこちら。

2022年1月自動車整備士との意見交換⇒整備士の人材不足の事情を聴いた岸田総理

岸田文雄首相は1月13日、東京都品川区の自動車整備施設を視察するとともに、自動車整備士らと車座で意見交換した。
視察と意見交換には斉藤鉄夫国土交通相も同行。2023年1月に始める車検の電子化や先端技術を使った自動車整備の現状などについて担当者から説明を受けた。
引用元:online.logi-biz.com(引用元へはこちらから)
岸田首相は視察後の記者会見で「こうした自動車の分野で頑張っている皆さんの処遇改善、業界全体の収益力の向上と併せて、お1人お1人の賃上げも考えていかなければならない」と説明。自動車整備士の待遇改善と賃上げ実現に意欲を見せた。
併せて、「車検の電子化などで整備業務の生産性の向上に努めていかなければならないと思う。新技術に対応した様々な設備の導入や技術の習得、人材育成においても様々な工夫が必要になってくるのではないか」と語った。
引用元:online.logi-biz.com(引用元へはこちらから)

有言実行!後に政府は『自動車整備人材に関する対策』に着手した

自動車整備業においては、電動車や衝突被害軽減ブレーキ等の先進安全技術が普及して
おり、自動車の整備に求められる技術も高度化している一方で、自動車整備士になる若者
が減少し、自動車整備業の有効求人倍率は 4.55 となるなど、自動車整備士の人材不足は
深刻な課題となっています。
今般、これらの課題について、「自動車整備の高度化に対応する人材確保に係る検討W
G」(座長:大原記念労働科学研究所 酒井一博 主管研究員)において対策を検討し、
人材の募集、人材の定着、人材の育成の3つの観点から、人材確保策に係る対策等の中間
とりまとめを行いました。
今後は、自動車整備分野の深刻な人材確保に係る課題の解決を図るため、自動車整備に
携わる者全員が One Team となって計画的・効果的に対策を推進してまいります。
引用元:www.mlit.go.jp(引用元へはこちらから)

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物流業界の『2024年問題』も待ったなしの課題だ。岸田総理にはこれまで以上に現場の声に耳を傾けて効果的な対策をしっかりたててくれることを期待している

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