ペルノ・リカールグループ、2023/24年度決算発表!売上高は横ばい、利益は成長!
世界トップブランドを多数傘下に持つ洋酒メーカー、ペルノ・リカールグループが2023/24年度の業績を発表しました。売上高は横ばいながらも、利益は堅調に成長を遂げました。各ブランドの動向や今後の展望について詳しく解説します。
ペルノ・リカールグループ、2023/24年度決算発表!売上高は横ばい、利益は成長!
世界トップブランドの洋酒メーカー、ペルノ・リカールグループが2023/24年度の業績を発表しました。売上高は前年度比1%減(決算発表ベースでは4%減)と横ばいとなりましたが、継続事業からの営業利益は1.5%増(決算発表ベースでは7%減)と堅調な成長を遂げました。
同グループ会長兼最高経営責任者(CEO)のアレクサンドル・リカール氏は、経済的・地政学的な不安定さやスピリッツ市場の正常化といった厳しい状況下でも、グループの規模やブランドポートフォリオの強みを生かして業績を維持できたと述べています。
地域別に見ると、北米・南米地域はスピリッツ市場の正常化が継続し、米国では在庫調整が進んだ影響で売上高が減少しました。アジアおよびその他地域では、インドやアフリカ・中東で好調な伸びを見せました。欧州では、ロシアを除く地域では好調でしたが、ロシアでの事業撤退が響きました。グローバル免税小売販売は、旅行者数の回復により増加しました。
カテゴリー別では、ジェムソンが世界中で販売を拡大し、アブソルートはアジアと欧州で好調な伸びを見せました。一方、スコッチウイスキーは米国と中国で苦戦しました。
利益面では、価格設定やコスト管理などが奏功し、売上総利益率と営業利益率はそれぞれ拡大しました。しかし、為替の影響で決算発表ベースの営業利益率は低下しました。
フリーキャッシュフローは前年度比で減少しましたが、これは将来の成長に向けた戦略投資を加速したためです。純負債は増加しました。
同グループは、今後も将来の成長に向けた投資やポートフォリオマネジメント、増配などを積極的に行っていくとしています。2025年度は、米国や中国を除く地域では好調な業績を見込む一方、米国での追加在庫調整や中国経済の低迷が懸念されています。
ペルノ・リカール・ジャパンでは、シャンパーニュとスコッチウイスキーが好調で、売上は堅調に推移しています。
同グループは、分散されたポートフォリオと世界各地に拠点を置くことで、中期財務フレームの目標上限である売上高有機成長率4~7%と、営業利益率50~60bpsの改善を達成できると自信を示しています。
ペルノ・リカールグループの2023/24年度決算発表は、世界経済の不確実性やスピリッツ市場の正常化という厳しい状況下でも、同グループが堅調な業績を維持できたことを示すものでした。
特に印象的だったのは、売上高は横ばいながらも利益が成長した点です。これは、同グループが価格設定やコスト管理など、収益性向上に向けた取り組みを徹底的に行ってきた成果と言えるでしょう。
また、地域別やカテゴリー別の業績を見ると、同グループが世界中で多様なブランドを展開し、それぞれの市場に合わせた戦略を展開していることがわかります。
今後の展望としては、米国や中国での事業環境が不透明な点は懸念されますが、同グループが持つ強固なブランド力や分散されたポートフォリオを活かせば、今後も成長を続けられる可能性は高いと言えるでしょう。
日本市場においても、シャンパーニュやスコッチウイスキーが好調なことは、同グループのブランドが日本消費者から高い評価を得ていることを示しています。
ペルノ・リカールグループの今後の動向に注目していきたいと思います。