2023年度外食・中食市場動向:コロナ禍からの回復と世代間格差

リクルートが発表した2023年度の外食・中食市場調査結果を詳細に分析。コロナ禍からの回復状況や、世代・業態による消費傾向の違い、今後の市場予測などを読み解きます。外食市場の活性化と中食市場の変化に迫ります。

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2023年度外食・中食市場動向:コロナ禍からの回復と世代間格差

リクルートのホットペッパーグルメ外食総研が発表した2023年度(2023年4月~2024年3月)の外食・中食市場調査結果によると、東名阪の夕食を対象とした外食市場規模は前年度比12.8%増の3兆4482億円に達しました。これはコロナ禍前の2018年度比で83.4%の回復率を示しています。一方、中食市場規模は前年度比2.4%減の1兆4087億円となり、コロナ禍前を15.6%上回っています。

外食市場の回復は、外食回数、外食頻度、外食単価の全てにおいて増加傾向が見られました。1ヶ月あたりの外食実施率は67.8%で、前年度比3.6ポイント増加。外食頻度は1人あたり平均3.79回と、前年度比2.4%増加しました。さらに、外食単価も前年度比5.1%増の2828円となりました。

しかし、世代間の回復状況にはばらつきが見られます。女性50代はコロナ禍前比で2.7%増加と回復が進んでいる一方、女性60代と男性60代はそれぞれ30.4%、29.7%減と回復が遅れています。30代女性も5.1%減と、回復が鈍い傾向が確認されています。

業態別では、「居酒屋」が前年度比18.5%増と好調で、回数シェアも増加傾向にあります。2021年度9.9%、2022年度13.6%、そして2023年度には14.4%に達しました。これは、コロナ禍を経て、人々の交流や会食の機会が増加していることを反映していると考えられます。

一方、中食市場は、全体ではコロナ禍前の水準を上回っていますが、実施率と購入頻度は減少しています。単価は増加傾向にありますが、これは価格上昇の影響も考慮する必要があります。世代別では、20代女性の延べ中食購入回数が11.8%減と最も減少しており、若年層女性の中食利用率は低めであることがわかります。50代男女は活発な中食利用を見せている一方、20代から40代女性は他の世代ほど積極的ではないという傾向が明らかになっています。

経年分析では、外食全体の回数がコロナ禍前比で76.3%まで回復したのに対し、飲酒を伴う外食の回数は68.0%にとどまっており、飲酒を伴う外食の回復が遅れていることが示されています。この傾向は、健康志向の高まりや、コロナ禍における生活様式の変化を反映している可能性があります。

今回の調査は、首都圏、関西圏、東海圏の20~69歳の男女約1万人を対象としたインターネット調査によるものであり、地域や世代による外食・中食の消費動向を詳細に把握できる貴重なデータとなっています。
リクルートの調査結果から読み取れるのは、コロナ禍からの外食市場の回復と、その回復における世代間・業態間の格差です。外食市場全体としては回復傾向にあるものの、60代の高齢層、特に男性では回復が遅れていることが懸念材料です。これは高齢者の外出機会の減少や経済状況、健康状態など、様々な要因が複雑に絡み合っている可能性があります。今後、高齢層をターゲットにした外食サービスの充実や、高齢者の外出を促す施策が必要となるかもしれません。

一方、若い世代、特に20代女性の低迷も注目すべき点です。中食市場においても20代女性の利用率が低いことは、食生活の変化やライフスタイルの変化を反映している可能性があります。節約志向や一人暮らしの増加、デリバリーサービスの普及など、若い世代の食生活を取り巻く環境の変化を考慮し、若年層に合わせたマーケティング戦略が必要でしょう。

居酒屋の好調は、コロナ禍で抑えられていた社交機会の回復を示唆しています。しかし、飲酒を伴う外食の回復が遅いことは、健康志向の高まりや、飲酒に対する社会的な意識の変化を反映しているのかもしれません。持続可能な社会に向けた、健康志向に対応した飲食サービスの開発も重要な課題と言えるでしょう。

今回の調査は、数値データだけでなく、世代や業態別の分析によって、外食・中食市場の現状を多角的に捉えることができます。この分析結果を踏まえ、各事業者はより効果的なマーケティング戦略を立てることが可能となり、消費者のニーズに合ったサービス提供を実現できるでしょう。さらに、政府や自治体も、高齢者や若年層への支援策、健康増進のための施策などを検討していく上で、このデータは重要な参考資料となるはずです。今後の外食・中食市場の動向を注視し、変化に柔軟に対応していくことが重要です。

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