2024年6月6日午前6時半過ぎ、東京ディズニーシーの入場ゲート前には、すでに開演を待つ大行列ができていました。バスターミナルには警察官の姿も確認され、始発電車で駆け付けた人々が猛ダッシュでディズニーシーへと向かう様子が見られました。来園者のお目当ては、着工から5年、約3200億円をかけて完成した新エリア「ファンタジースプリングス」です。

午前8時、キャストに迎えられ、オープンと同時に多くの人々が笑顔で園内に入っていきました。ピーター・パンのアトラクションを目指す来園者は「大好きなピーター・パンのアトラクションがあるエリアなので、すごく気合を入れて」と話し、期待に胸を膨らませていました。

新エリアのアトラクション「アナとエルサのフローズンジャーニー」を体験した人は、「オラフ生きてました。アナとエルサの表情、動きもすばらしくて、乗っている途中、涙が出そうになった」と大感激の声を上げました。しかし、一方で「入れないって、ここから。残念だね。入りたかった？」と戸惑う親子の姿も見られました。

この新エリアは、ディズニーシーの入場チケットだけでは入ることができません。新エリアに入るためには、アトラクション利用のための無料の「スタンバイパス」または有料の「ディズニー・プレミアアクセス」などをアプリで入手する必要があります。しかし、初日の6日、SNSには「新エリアに入るためのパスが、開園から数分で売り切れた」とする投稿が相次ぎました。

SNS上では、これに対する様々な反応が見られました。「資本主義の原理原則を夢の中で学ぶ悪夢」という皮肉なコメントや、「お金さえあれば、公式ホテルに泊まって確約券とか多分あると思うけど、一般ファミリーにはお高すぎる…」という声もありました。また、「かわいそう。どうにかならんかなこれ。下調べしてない親が悪いって意見もあるけど、年に数回のレジャーがディズニーというファミリー層にガチ勢並の下調べは難しいんじゃないかな…」といった意見も寄せられました。

さらに、「一般の人はファンタジースプリングスなかなか入れないだろうね。子供くらい記念写真とか撮れるスペース確保してあげるとか…」という声や、「夢の国がどんどん現実の国になってる」とのコメントも見受けられ、現実的な制約が強調されました。

多くのユーザーは新エリアに入るための対策についても意見を述べています。「親が下調べしていないのが悪い。オープンして間もないからどうしても入って見せてあげたいのであればホテルに宿泊して特典で入場すれば良い」との声や、「ファンタジースプリングスホテル取らなくても、ミラコスタに泊まってハッピーエントリーで早く入ればパス取れたのに」というアドバイスもありました。

また、現実と理想のギャップについても意見が出ており、「夢の国と言われてるけど、『本当に夢が叶うわけではない』と子供が現実を知り大人の階段をのぼる日だ」というコメントが象徴的でした。さらには「夢の国で現実を見せられてる」といった意見もあり、多くの人々が夢の国に期待して訪れる一方で、現実的な問題に直面する状況が浮き彫りになっています。

このように、ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」の開業は大きな注目を集める一方で、多くの課題と混乱を引き起こしていることが明らかになりました。今後、どのようにしてこれらの問題を解決していくのか、運営側の対応にも期待が寄せられます。