【もうすぐ発売】サザンオールスターズ46年の軌跡、光と影を語る決定版「いわゆる『サザン』について」
サザンオールスターズの誕生から現在に至るまでの軌跡を、40年以上取材を続ける音楽評論家・小貫信昭氏が独自の視点で綴ったノンフィクション。桑田佳祐氏の長時間インタビューも収録し、知られざるサザンヒストリーが明らかになる。
サザンオールスターズ46年の軌跡、光と影を語る決定版「いわゆる『サザン』について」刊行
水曜日発売
2024年8月21日、サザンオールスターズの歩みを深く掘り下げた書籍『いわゆる「サザン」について』が刊行される。著者は、40年以上サザンを取材し続ける音楽評論家・小貫信昭氏。本書は、サザンの誕生から国民的アーティストへの成長、そして無期限活動休止を経て現在に至るまでの軌跡を、貴重なインタビューや資料を基に詳細に描き出す。
本書の刊行にあたり、桑田佳祐氏は「昔々、“軽薄なノリ”が名誉であり、ヤンチャなものに対してやや寛容な時代があった。ついつい、調子に乗ってそれをやめそびれた我々は、未だに「まともな音楽人」として衆人に認知されていない。」とコメント。サザンに関する書籍にコメントを寄せるのはこれが初めてということもあり、注目を集めている。
小貫氏は、本書について「サザンの陽のあたる部分だけじゃなく、それ以外のところも描いて欲しい」という桑田氏からの言葉が、リアリティを生み出したと語る。40年以上積み重ねてきた取材活動の集大成であり、桑田氏へのインタビューによって生まれた新たな視点も加えられている。本書は、当時の状況を単に切り取ったものではなく、精査された情報に基づいて書かれたものであり、そこに大きな価値があるという。
目次には、サザンの歴史を象徴する楽曲や出来事が時代別に並べられており、ファンならずとも興味深い内容となっている。例えば、1978年の「勝手にシンドバッド」から1981年の「ミス・ブランニュー・デイ」の成功、1985年の2枚組大作『KAMAKURA』の制作秘話、1991年の「涙のキッス」のヒット、そして2008年の無期限活動休止に至るまでの軌跡が詳細に描かれる。また、2019年の再始動から現在に至るまでの活動についても、桑田氏の言葉を通して深く探求している。
本書は、サザンオールスターズというバンドの過去、現在、そして未来を理解するための、決定版といえるだろう。サザンファンはもちろん、音楽史に関心がある人、日本の音楽シーンを深く知りたい人にとって必読の一冊だ。
「いわゆる『サザン』について」を読み終えた後、私はサザンオールスターズというバンドに対する理解が深まったと感じた。本書は、単にサザンの歴史を時系列にまとめたものではなく、音楽評論家である著者の深い洞察と、桑田佳祐氏自身の言葉によって、サザンの音楽、そしてその裏側にある人間模様が立体的に浮かび上がってくる。
特に印象に残ったのは、桑田氏が語る「軽薄なノリ」という言葉だ。サザンは、常に時代を先取りし、独自の音楽性で人々を魅了してきた。しかし、その一方で、世間の目から「軽薄」と見られることもあっただろう。桑田氏は、そのことを決して否定せず、むしろ受け入れることで、サザンの音楽に深みを与えてきた。
本書を通じて、私はサザンが単なるアイドルバンドではなく、時代を反映し、社会を批評し、そして人々に希望を与える存在であることを改めて認識した。また、桑田氏の言葉から、音楽に対する情熱、そしてメンバーへの深い愛情を感じることができた。
本書は、サザンファンはもちろん、音楽好きな人なら誰でも楽しめる内容だと思う。読み終わった後、きっとあなたもサザンを聴きたくなるだろう。そして、彼らの音楽が持つ力強さと、時代を超えて愛される理由に改めて気づくことだろう。