羽生善治三冠：終盤の勝ち方に切れ味の鋭さを感じます。やはり読みの速さと精度がすごいのでしょうね
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北浜健介八段：詰将棋は難しい局面を打開するためのスタミナをつけるトレーニングになるんです。それが実戦では終盤力として活きてくるんですね。藤井四段の場合、そうした思考の筋肉が相当鍛えられていますから、筋を読む、考えることに全く苦痛を感じないところまで到達していると思います
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谷川浩司九段：終盤などが私の将棋と似ていると比較していただくこともあり、確かに「私でもこのような寄せ方をするな」という将棋もありました
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森下卓九段：驚きました。将棋の技術が全体的に上がっているのは確かですが、指し手の正確さでは同じ年齢のころの羽生さんを上回っていると思います
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広瀬章人八段：常に先を見据えてやっている観があります。勝ち将棋でも途中に雑になったりせず、丹念に読んでいる
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羽生善治三冠：藤井さんの指し手には現代的なスピード感がありますね。チャンスと見れば躊躇せず踏み込んできます
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千田翔太六段：藤井四段の指し手にはかなりの程度、ＡＩの影響がみられる。その強さは、もともとの棋力の高さに加え、ＡＩの有効活用にあるのではないか
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前衆院議員で同志社大学講師の村上政俊氏：ＡＩの大きな特徴の一つは、王将の囲いは最小限にとどめ、序盤から機先を制して攻め切るというもの。人間と違い、王将を取られるという恐怖心のないＡＩならではの冷徹な戦法だが、藤井四段はこの特徴をうまく自分の中に吸収し、昇華させている
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法政大学大学院教授の真壁昭夫氏：藤井四段は古来受け継がれてきた定跡の上に、人工知能が提示する様々な対局のパターンを重ね合わせて勝利を続けている。まさに、藤井四段はＡＩの長所と、自らの努力と思考力を融合している。ＡＩと脳がもたらす相乗効果が勝利につながっているのである
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羽生善治三冠：藤井四段の場合は『ここが明らかに弱い』と言える弱点がないのが大きな特長です
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森内俊之九段：安定感があり、隙がない。報道が過熱する中で冷静沈着でもある
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千田翔太六段：藤井さんは終盤型というイメージが一般的ですが、序盤、中盤、終盤ともバランスが良く、将棋は「なるほど」と思いました
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広瀬章人八段：攻めてもよさそうなところをしっかりと受け、相手が無理攻めしてきた局面でカウンターから仕留める
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渡辺弥生女流初段：手厚く指して中盤で優位を築き、最後は相手の攻めをきっちり一手余して勝つパターンが多い。対振り飛車戦においても、相手の飛車角を押さえ込み、終盤に入る前に投了に追い込む指し回しが目を引く。安定感のある、負けにくい将棋だ
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屋敷伸之九段：５５対４５のリードを奪った後、一気に勝ちにいくのではく、６０対４０に、そして７０対３０へと一歩ずつ積み上げて確実に勝ち切る
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北浜健介八段：特徴がないんです。攻めも守りもできる自在さが凄みをましているというか。羽生三冠も攻めも受けもない、その時々の「最善手」に適った戦い方をされますが、そういう究極に近いスタイルですね。
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広瀬章人八段：勝負どころでしっかり考えて緩急織り交ぜた攻め方が巧みで、若いとは思えない方だなと思いました
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佐々木勇気五段：簡単に悪くならず、どんな形も指しこなせる強さがある
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深浦康市九段：決め手を与えない粘り方は四段の頃の羽生さんと似ていて、一手勝ちを見切る攻めは谷川さんのようです
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杉本昌隆七段：相手が読んでいないハッとするような手を出して苦しい将棋をひっくり返す。天性の勝負師ですね
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詰将棋作家の若島正氏：広瀬戦の4四桂のように、普通の人には見えない手が見える。これは詰将棋から来ている感覚なのかもしれません。つまり、詰将棋では普通『ありえない』手がありえるということ、将棋の可能性として、盤にはとんでもない手が眠っているということ、そういう認識がどこかで藤井くんの読みの中に感覚として身についているのではないかと思っています
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杉本昌隆七段：藤井の将棋は対角線、斜めのラインを強く意識させます。本人はおそらく意識していないと思いますが、藤井の強さの源には、この「斜めの多用」があります。「駒に角度がある」と私は表現しています。具体的には角と桂馬の使い方が抜群にうまい
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杉本昌隆七段：藤井の将棋は角と桂馬の使い方に目を見張るものがあり、なかでも桂馬は本当にうまい。それをむしろ攻撃の軸にしている気配すらあります。その指し手には詰将棋で鍛えた発想が生きています
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