GUCCI 2025年春夏ウィメンズコレクション発表!サバト・デ・サルノが描く「カジュアルな壮大さ」
グッチがミラノで発表した2025年春夏ウィメンズコレクション。クリエイティブ・ディレクター、サバト・デ・サルノが追求する「カジュアルな壮大さ」とは?BTSジンやNewJeansハニなど豪華ゲストも来場したショーの様子をレポート。
GUCCI 2025年春夏ウィメンズコレクション発表!サバト・デ・サルノが描く「カジュアルな壮大さ」とは?
2024年9月20日、ミラノ・トリエンナーレ・デザイン・ミュージアムにて、グッチの2025年春夏ウィメンズコレクションが発表されました。クリエイティブ・ディレクター、サバト・デ・サルノ氏が手掛ける今コレクションのテーマは、人生におけるかけがえのない瞬間。その一瞬を捉え、心に刻むという、普遍的なテーマが込められています。
ショー会場となったミラノ・トリエンナーレ・デザイン・ミュージアムは、グッチにとって特別な場所。メンズコレクションのショーを開催した実績もあり、その建築やアーカイブとブランドのアイデンティティとの融合をさらに深めています。今回は、美術館のアーカイブ「Cuore」が、ホワイトからグッチの象徴的なレッドへと色彩が移り変わる、美しいランウェイへと変貌を遂げました。夏の夕暮れを思わせる色彩と、異なるトーンの部屋が、訪れた人々に忘れられない体験を提供しました。
サバト・デ・サルノ氏は、このコレクションについて、「1年をかけてグッチに対する自分の考えを構築してきた」と語っています。それは、テーラリングやランジェリー、レザーといった素材や、1960年代のシルエットを基調とした「カジュアルな壮大さ」という、ブランドの伝統を継承しながらも革新的な表現です。
コレクションの中心となるのは、洗練されたテーラリングです。メンズとウィメンズのワードローブを融合させたジャケットやパンツは、スニーカーと合わせることで現代的なカジュアルスタイルを提案しています。グレーやレッド、ホワイト、グリーン、オレンジといったカラーパレットも特徴的です。1960年代へのオマージュを感じさせる構築的なシルエットのジャケットやスカート、そして、ロングコートは、GGパターンを新たな視点で表現し、デニムやタンクトップなど、様々なアイテムと組み合わせることでデイリーウェアとしても活躍します。
グッチのDNAともいえる光沢仕上げのレザーや、レースのドレス、ランジェリーもコレクションに華を添えています。
伝統の探求という点では、グッチを象徴する「バンブー」も重要な役割を担っています。1947年から続く「グッチ バンブー」は、オリジナルデザインのバッグだけでなく、レザーやラッカー、アクリルガラスを用いたコンテンポラリーなアレンジも施されています。バンブーのフォルムはジュエリーにも落とし込まれ、ネックレスやブレスレットとして登場。1990年代風のジャージードレスやプラットフォームシューズにも、そのディテールが用いられています。さらに、ミニサイズのバンブーバッグや「Gucci 73」バケットバッグ、新しい「Gucci Go」バッグなど、新作バッグも多数発表されました。また、グッチ日本上陸60周年を記念したコラボレーションプロジェクトの一環として、日本のアーティストがヴィンテージバッグを再生した一点ものの「グッチ バンブー1947」バッグも披露されました。
シューズでは、グッチを象徴する「ホースビット」が進化を遂げています。アイコニックな「グッチ ホースビット1953」ローファーから、プラットフォーム、クリーパー、バレリーナ、アンクルブーツへと展開し、新たな魅力を放っています。1960年代のムードを感じさせるソフトなフラットブーツも登場しました。
アクセサリーでは、イラストレーターのヴィットリオ・アッコルネロ・デ・テスタが描いたオリジナルの「フローラ」を用いたスカーフが、ヘッドスカーフとして登場。ホワイトベースに9つの花束が描かれたデザインが、コレクションのカラーパレットと調和し、新たな解釈で表現されています。
ショーには、BTSのジン、NewJeansのハニ、ガルフ、ヤニック・シナ―などのアンバサダーをはじめ、ダコタ・ジョンソン、ジェシカ・チャステイン、キルスティン・ダンスト、ジュリア・ガーナー、リナ・サワヤマ、ソランジュ・ノウルズ、マーク・ロンソン、そして日本からは井上ヤマト、ミチ、よしあきなど、世界中から多くの著名人が来場し、コレクションへの期待の高さが伺えました。
グッチの2025年春夏ウィメンズコレクションは、クリエイティブ・ディレクター、サバト・デ・サルノ氏の「カジュアルな壮大さ」というビジョンが、鮮やかに表現された素晴らしいショーでした。
ショーのテーマである「人生におけるかけがえのない瞬間」は、私たち一人ひとりの心に響く普遍的なテーマであり、コレクションを通して、その瞬間を大切にすること、そして自分自身を見つめ直すことの大切さを改めて感じることができました。
コレクションは、1960年代を彷彿とさせるシルエットやカラーパレット、そしてテーラリングの技術と現代的な要素を融合させた、まさに「カジュアルな壮大さ」を体現したものでした。グッチの伝統と革新が調和し、新しいグッチのスタイルを提案していると感じました。
特に印象的だったのは、グッチのアイコニックなアイテムである「バンブー」と「ホースビット」が、現代的なデザインにアップデートされ、新たな魅力を放っていた点です。伝統を守りながら、常に進化を続けるグッチの姿勢が感じられました。
また、ショーには世界中から多くの著名人が集まり、その華やかさと熱気に圧倒されました。特に、BTSのジンやNewJeansのハニといったK-POPアイドルの来場も話題となり、グッチの世界観とK-POPの融合が、新たなファッショントレンドを生み出す可能性を感じました。
コレクション全体を通して、サバト・デ・サルノ氏のクリエイティビティと、グッチというブランドの確固たるアイデンティティを感じることができました。そして、ファッションは単なる服を着ることではなく、自分自身を表現し、人生を豊かにするものであるということを再認識させられました。
今回のコレクションは、グッチの未来への展望を示すものであり、今後どのような進化を遂げていくのか、非常に楽しみです。同時に、グッチが発信するメッセージは、ファッション業界のみならず、多くの人々にインスピレーションを与え続けるものだと確信しています。
このショーは、単なるファッションショーではなく、グッチが私たちに贈る、美しく、そして力強いメッセージでした。