大阪府教育委員会は、和泉市の義務教育学校に勤務する教頭（46）が、生徒に対して不適切な言動を行ったとして、停職3か月の懲戒処分を下したことを発表しました。

府教委の発表によると、この教頭は昨年10月、生徒会選挙で演説を行った8年生（中学2年）の男子生徒に対して問題行動を起こしました。男子生徒は演説の中で、教頭の仕草や話し方を真似る内容を盛り込みましたが、これに教頭が憤りを感じました。翌日、教頭は男子生徒を呼び出し、「この件で休んだら休業損害を払ってもらう」「鑑別所に行く場合もある。高校に行けなくなる」などと脅迫しました。男子生徒は涙を流して謝罪し、教頭は一度「許したる」と述べましたが、その後、他の教員を揶揄するような発言もあったことを思い出し、再度男子生徒を呼び出して謝罪させました。

さらに、男子生徒の母親が学校を訪れ、教頭に演説の感想を尋ねた際にも「不愉快でした」と回答。演説の内容を母親が一緒に考えたことを知った教頭は、「大人がすることではない」「休業損害を請求することもある。訴えることもある」と怒りをぶつけました。

その後、教頭は男子生徒を生徒会に関わらせるべきではないと判断し、校長が出張中に生徒会役員として当選した男子生徒の名前を結果表から勝手に削除し、終礼で教職員に対し男子生徒が生徒会から退くことを周知しました。この行為により、男子生徒はショックを受け、1日学校を欠席する事態に陥りました。「教頭がいるので学校に行くのが怖い」と男子生徒は話しており、これを受けて教頭は自宅待機や市の教育センターで勤務しています。

この問題は、男子生徒の母親が教頭から受けた言動をまとめた手紙を校長に提出したことが発端となり、校長と前副校長が母親から直接話を聞いたことで発覚しました。ネット上でもこの事件は大きな話題となり、多くのコメントが寄せられました。

「教頭である私への極まってんなコイツ」といった厳しい批判や、「全校生徒の前で笑いものにされたらキレるっしょ」と教頭の気持ちを理解する意見も見られました。また、「程度によるとしか」と、具体的な状況に依るとする声もありました。

一方で、「クソガキの言動にいちいち反応すんなよ」と、生徒の行動に過剰反応する教頭を批判する声や、「謝罪と賠償を要求する。何処かの国で良く使われるフレーズだな」という皮肉なコメントも見られました。

この事件は、学校現場での管理職の適切な対応や、生徒との関係性について再考を促す契機となりました。教育委員会は、再発防止のための研修や指導を徹底する方針です。