蜜谷浩弥の炊飯器のススメ!
最近僕がハマっているキッチンデバイスがあります。それは炊飯器です。加熱調理器具としての万能性について語りたいと思います。
こんにちは蜜谷浩弥です。最近僕がハマっているキッチンデバイスがあります。それを紹介したいと思います。そのデバイスとは?炊飯器です(笑)。炊飯器は実はご飯を炊くためだけのものではないのです。炊飯器を使うと様々な食材が柔らかく仕上がります。料理において難しいのは火の通し方です。火加減によってあらゆる食材は美味しくもなり、不味くもなります。しかし、この絶妙な火加減というのは、料理人のようにかなりの経験値を要するものです。しかし、炊飯器を使うと焦がすことも無く火の番をしていなくても自動的に止まって保温までしてくれます。炊飯器はとても簡単で使いやすい料理器具と思います。僕は炊飯器をほぼ圧力鍋の代わりに使っています。では、どのような食材に使えるのか?をご紹介いたします。
カボチャを蒸すのにオススメ
まず始めはカボチャです!炊飯器を蒸し器として使います。炊飯器を蒸し器として使う時に最も一般的なのは「蒸し板」でしょう。これは釜の上に置く金属製の板で、穴が開いています。僕は折りたたみ式の物を、炊飯器の釜の中に置いて使っています。水を釜に入れた後に蒸し板を置きます。野菜や魚介類などを蒸し板に置き炊飯器で蒸すことが出来ます。蒸し板はシンプルな構造で使いやすく、お手入れも簡単でお勧めです。カボチャは煮るよりも蒸し器を使って蒸した方が、とても柔らかくなり甘味が増します。
炊飯器は高熱で調理できる
竹製の蒸し器の場合は、炊飯器で蒸しているときよりも温度が低くなる傾向があります。竹製の蒸し器の場合は隙間があり、密閉されていないので隙間から温度は逃げていきます。電子レンジ用の蒸し器でもやはり温度が100℃以上は上がらないようです。ステンレス製の蒸し器の場合は120℃ぐらいまで上がるようです。炊飯器の場合は釜内部の温度が、100℃前後にキープされるようです。もちろん、これらは機械によって数値は変わりますので絶対値ではありません。
炊飯器は使い慣れ感がある
温度の高さを競うならば圧力釜の方が温度は高くなります。圧力釜では内部に圧力をかけることにより沸点を高めることが出来るからです。炊飯器にも真空圧力炊飯器というものがあり、こちらは通常の圧力釜よりも温度が高くなる様です。しかし圧力釜を普段から外に出して、毎日使っているご家庭はあまり多くは無いのかな?と思います。圧力鍋は普通のナベよりは重く片付けるのも面倒ですよね。火の番も必要ですし。その点炊飯器は常時手に届きやすい位置にあるのではないでしょうか?ご飯を作るご家庭では使い慣れているのと思います。片づける手間も楽なので僕は炊飯器で蒸しています(笑)。
高温調理のススメ
では何故温度が高い方が調理に良いのか?くなるのか?について考察していきたいと思います。カボチャを蒸すと煮るよりも甘みが増す理由は、いくつか考えられます。
酵素による糖化
カボチャには、デンプンを分解して麦芽糖を作る酵素が含まれています。これらの酵素は、熱によって活性化されます。炊飯器で蒸すことで、カボチャの温度が上がり、酵素が活性化されてデンプンが麦芽糖に分解されます。麦芽糖は砂糖の約1.5倍の甘さを持つため、カボチャが甘く感じるようになります。
水分の減少
炊飯器で蒸すと、カボチャから水分が蒸発します。水分の減少によって、カボチャの糖度が相対的に高くなり、甘く感じられるようになります。そして、蒸気によってしっとり感は保たれます。パサパサにはならないわけです。
細胞壁を壊し糖が溶け出る
高温で加熱することで、カボチャの細胞壁が壊されます。細胞壁が壊されると、中の糖が溶け出しやすくなり、甘みを感じやすくなると考えられます。
高温で調理すると甘みが増すという事には、以上の様な理由が考えられます。お鍋で煮るよりも柔らかく甘くなる仕組みはこのような事なのですね。
根菜にオススメ
全く同じことがサツマイモにも言えます。サツマイモも炊飯器で蒸すと柔らかくしっとり甘く出来きます。甘く柔らかく蒸しあがったサツマイモをマッシュして、ポテトサラダを作っても美味しいです。もちろんジャガイモも柔らかくしっとり蒸すことが出来ます。蒸したカボチャやジャガイモは、マッシュして牛乳で溶いてバターと混ぜ、スープにしても美味しいです。味付けは塩とバターとナツメグで十分ですが、コンソメを使っても美味しくできます。生クリームを足すと濃厚な味になります。
ニンジンも蒸すと甘く柔らかくなります。ニンジン独特の臭みも無くなり付け合わせには最適です。僕は柔らかく蒸したニンジンに薄い塩味を付けて食べています。美味しいです。このように根菜もしっとり柔らかくなります。
レンコン炊飯器調理のススメ
次にお勧めはレンコンです。レンコンは鍋で煮てもなかなか柔らかくなりませんよね?もちろんシャキシャキした硬めのレンコンを作りたい場合は、鍋で煮れば良いと思います。しかし柔らかくするのは意外と加減が難しかったりします。煮ている場合はその間火の番をするのも面倒です。
レンコンを柔らかくするのも炊飯器を使うのがお勧めです。蒸し板は使わずに、醤油にみりん、日本酒とお水を足して、鍋で煮るのと同じ様にそのまま煮ても柔らかくなります。レンコンは温度が低いと物によっては中々柔らかくなりませんが、高温で煮ると柔らかくなるようです。煮ている途中お水が蒸発して量が減るので、減りすぎないように、間を見て水を足します。ずっと放置し過ぎると空焚きになってしまうので注意です。
レンコングラタン
ここでひとつお勧めのレシピを紹介したいと思います。それはレンコングラタンです!
まずピーラーでレンコンの皮を剝いてカットします。そのレンコンを炊飯器を使って牛乳で煮ます。レンコンの煮汁も使ってグラタンを作ると非常に美味しいグラタンを作ることが出来ます。レンコンを煮た牛乳の煮汁は、レンコンのうま味と香りが浸透して甘味があります。レンコンの粘りを含んだ美味しいベースになります。レンコンにも牛乳のクリーミーさが浸み込んでグラタンに最適になります。
ホワイトソースのベースを作りましょう
レンコンが煮あがったら、煮汁に漬けたまま放置して冷やします。その間にホワイトソースを作りましょう。買ってきたホワイトソースのベースはお手軽るですが、自分で作ると非常に美味しく濃厚なソースが作れます。
バターを大さじ一杯ぐらいフライパン弱火で、焦がさないように溶かします。そこにバターと同量ぐらいの小麦粉を振るいます。ダマにならないように振るい器に掛けたほうが良いです。バターと小麦粉を泡だて器で攪拌していくと、ペースト状になってきます。焦がさないようにひたすら攪拌します。ドロドロしてきたら少しずつ少量の牛乳を足します。
小麦粉に火が入ってとても香ばしい香りがしてきます。次第に一塊になってペーストになってきます。このペーストがホワイトソースのベースです。洒落た言い方すればフランス料理ではブールマニエと言うようです。
ホワイトソースのベースをレンコンの煮汁で溶いていきます。味は塩とナツメグだけでも良いですし、コンソメで味付けするのも有りと思います。グラタンソースとして適当な硬さまでトロトロに溶いたら、グラタンの器にレンコンを敷いて、ソースを掛けていきます。上にゴーダチーズを載せてオーブンで焼けば出来上がりです。美味しいです!フランスパンと一緒に食べるとオサレですね。ワインも合います。
お肉も柔らかくなります。
他にも炊飯器でピラフやリゾットも出来ると思います。また、牛筋のような時間の掛かる肉も、お鍋で煮るより短時間で柔らかくできると思います。炊飯器を使って様々な料理を作るのにチャレンジするのも面白いと思いますよ!