【インタビュー】株式会社ルピナスファクトリー 代表取締役 須賀慎

大手金融系企業や官公庁といった、重要な社会インフラを担うシステム構築に携わるルピナスファクトリー。2015年の創業以来、代表の須賀氏が培ってきた技術力やコミュニケーション力によって多くの顧客の信頼を獲得してきた。

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質の高い業務スキルが高く評価されるなか、いま同社は次なる成長フェーズへと舵を切ろうとしている。若手エンジニアの育成に注力し、携わる案件の数を増やし、良質なサービスで社会に貢献する。それが同社のめざす姿だ。社員の成長を促す同社の環境と今後について、代表の須賀氏に聞いた。

事業内容を教えてください。

 システム・エンジニアリング・サービス(以下、SES)を主体に、エンジニアがクライアント先に常駐する形でプロジェクトを担当するサービスを提供しています。アーキテクチャのグランドデザインからアプリケーション開発まで幅広く対応し、上流工程の企画段階から参画していく案件を多く抱えています。

 私自身、これまで官公庁や大手生命保険、金融、不動産関連企業のシステム構築を主に担当し、社会の主要な情報インフラを支えるような重要案件を数多く経験してきました。

そのなかで、特徴や強みはどのような点でしょうか。

 エンジニアが成長できる環境があることです。当社では、通常7~8年目のエンジニアが担当するような仕事に、1~2年目からチャレンジしてもらいます。当然失敗することもあります。でもそこで、なぜできなかったのかを、私は一緒に考えます。それは、「若いときに経験した失敗は、必ず今後につながる」という強い想いをもっているからです。

 お客さまとは、そうした失敗も受け入れてもらえるようなコミュニケーションがとれているので、社員は結果を恐れることなくトライすることができます。また、上流工程を希望するエンジニアは少なくありませんが、本来そうした上流工程の仕事は、大手のシステム会社にしか依頼されないものです。しかし、それを素通りして、私のところに話をもってきてくれるお客さまがいます。これまでのキャリアや現場での実績、また、NOといわないスタンスが評価されてのことかもしれませんね。

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「NOといわない」とは、どういうことですか。

 当社は、お客さまから頼まれた仕事は基本的に断りません。どんなに難しい案件でも、最終的に「私が担当すれば問題ない」という自信がありますから、難関に挑む環境を社員に用意したいのです。

 そこで仮にオーバーワークになっても、フォローするのは私の役目であり、「最後は自分が責任を取るから、なんでもトライして失敗していい」というスタンスを大事にしています。もちろん、致命的な失敗にならないように、常駐するお客さま先で社員の仕事を見守っています。

 私はこれまで、基盤といわれるインフラ部分から、共通機能の提供や業務アプリケーション開発を担うなど、システム開発の上流から下流まで一気通貫で支援するノウハウを積み重ねてきました。システム開発の本質を押さえているので、どのようなプロジェクトでも社員を現場でしっかりとサポートすることができるのです。

そのほかの強みについて教えてください。

 大手金融系企業からの依頼や、官公庁や大手生命保険会社の案件が多く、事業基盤が安定していることがあげられます。同時にそうしたクライアントから、アーキテクトの部分から一緒に考えてほしい、といった相談も多くいただきます。

 システムアーキテクトとは、システム開発において対象業務の分析や設計などの上流工程に携わる役割で、業務や情報技術にかんする高度な知識をもとに、システムを構築する能力が欠かせません。エンジニアからすればノドから手がでるほどほしい案件や業務がたくさんあるのです。

 たとえば、大手生命保険会社からの依頼案件では、同社のシステム開発の根幹を大きく左右するようなプロジェクトに携わっています。ほかにも官公庁の関連で、重要な社会インフラを支えるシステムを構築する業務など、やりがいのある仕事が非常に多いですね。

そのなかで、社員はどのような成長を遂げているのですか。

 質の高い仕事を経験できるので、圧倒的なスピードで成長しています。私と一緒に、要件定義の前のヒアリング、サービス内容の詰めの段階から参画することもあるので、意欲があれば成長できます。

 その意味でも、いま若いエンジニアに必要なのは、場数を踏むことだと思っています。つまり、業務をこなしていく「量」の重要性です。私は仕事の量をあげていくために必要なのは、「人から仕事を奪う」ことだと考えています。つまり、自分のミッションを早く終わらせ、時間に余裕のある状況にしておくことで、人の仕事を自分にまかせてもらう状況をつくる。そうやって経験値をどんどんあげていくことが重要なのです。

 与えられた締め切りや納期に間に合わせればいい、ではなく、つねに作業を前倒しして消化していく意識をもつこと。それができれば、気がついたときには、圧倒的な成長を遂げている自分がいるはずです。

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そのような環境のなかで、社員にはどのような経験をしてほしいですか。

 これまで私は、技術者として、ビジネスマンとしてお客さまや社会に認められていく喜びをえてきました。そのように、個人でバリューを発揮し、社会に必要とされるようになった経験を、社員にも感じてもらいたいです。

 私自身、自分の会社が、「社員が独り立ちできるための土台」となり、彼らが十分なスキルをえて卒業し、大きく羽ばたいてくれることを望んでいます。だから彼らがどんなに失敗しようとも、私が社員たちの成長を後押しすることを止めたら、会社を経営している意味がありません。社員一人ひとりが一個人として戦える状況をつくってあげる。それが私の確固たる信念なのです。

須賀さんのキャリアについて教えてください。

 私は19歳でサラリーマンとなり、23歳のときにシステム開発の会社に転職。このときの社長が私の成長ルートを考えてくれる人でした。そこに恩義も感じ、とにかくガムシャラに働きました。そして28歳のときに大手のシステム会社に転職。部長職を務め、30歳まで勤めました。特に23歳から28歳までの5年間は、プライベートもすべて犠牲にするつもりで仕事に没頭しました。おかげでエンジニアとしての基礎を徹底的に学べましたし、技術者としてのベースができあがった5年間だったように思います。

 その後、30歳でフリーランスとして独立。しかし、自分が培った技術を伝えて若い社員を育てたいという想いが強くなり、33歳のときにルピナスファクトリーを設立しました。

 実は会社をつくった年が、ちょうど私の子どもが生まれた年なんです。なので、自分の子どもの歳と会社の創業年数が同じ。だから、会社も家族みたいな感覚なんですよ(笑)。

 家庭をもって子どもができると、父親として成長しますよね。会社も一緒で、社員をもつと社長は責任感が生まれて成長する。そして、社員の成長を自分のことのように喜べるようになる。それがいまの自分の仕事のモチベーションになっています。

ルピナスファクトリーではどのような人材が活躍していますか。

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 文系から未経験で中途入社した人や元事務の女性といった人材がエンジニアとして活躍しています。未経験でもまったく問題ありませんし、むしろ文系のほうがこの仕事には向いていると感じることもあります。言葉を読みとる力や思考力が、文系の人は高いですから。

 私は理系の人間で技術には自信をもっていますが、これまでSESの現場で仕事をしてきて、それだけではよい仕事はできないと感じてきました。

 エンジニアにとって大事なのは、お客さまとのコミュニケーションです。クライアントの担当者に小難しいシステム用語ばかりを並べても、必要なことは伝わりません。お客さま目線で、必要なことを理解して、先回りして満足度の高い仕事をする。そこには広い視野と、相手がなにを求めているかを察知し、理解する能力が求められるのです。それがコミュニケーション力であり、エンジニアには欠かせないと思っています。

 意志の疎通が図れているお客さまから、プロジェクトが終わったときにひとこと、「よくやってくれた」といってもらえる。それですべてが報われますし、エンジニアにとっての最大の喜びです。最初から最後まで一気通貫で業務を担う当社だからこそ、そうした喜びが得られる。当社の社員には、そんなシステム開発の醍醐味を、ぜひ味わってもらいたいと思っています。

最後に、今後のビジョンを教えてください。

 社員には、スキルの面で世間の同年代のエンジニアたちに負けてほしくないですから、いま以上の経験を身につけてもらうことをミッションに、私も仕事をしていきたいと考えています。

 現場重視の小さなシステム会社で過ごすからこそ、エンジニアとしてしっかりとした基礎が築ける。それがその先、確かな実力となって花開くんです。そうすれば、必ず自分のスキルで生き抜いていけるようになります。

 いまは会社としてクライアントに信頼をいただいているので、今後は規模を拡大していきたいですね。そのためにも、次の大きな案件には、今の若手社員がプロジェクトの中心になれるよう成長してほしい。そして、こういってほしいですね。
「須賀さん、もう現場に来なくて大丈夫!」――ちょっと寂しいかもしれないけど(笑)、きっとそれ以上の喜びを感じるに違いありませんから。

プロフィール

■ 須賀 慎 (すが まこと)
1982年、10月生まれ。19歳でサラリーマンとして社会人のキャリアをスタートし、23歳でシステム開発会社に転職。25歳で同社監査役となり、27歳で取締役に昇進。その後、エンジニアとしての実力を買われて大手システム会社に移籍し、部長職をまかされた。30歳で独立して3年間フリーランスとして活動したあと、2015年に株式会社ルピナスファクトリーを設立して代表取締役に就任。高い技術力を背景に多くの顧客の信頼をえながら、若手エンジニアの育成に注力しつつ、いっそうの業容の拡大をめざしている。

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