誤解が積み重なった末の悲劇? たつき監督降板確定、その真相を推察
年末の福原Pのツイートにより、けものフレンズ2期からたつき監督が降板することが確定。力及ばず無念ということのようでしたが、しかし、振り返ってみると、ヤオヨロズは誤解を招きかねない行動をとりすぎていたように思います。そういった行動を製作委員会が悪い方向に解釈した結果、話がこじれたというのが真相では?
話を進める上で前提となるポイントを簡単に整理
騒動の詳細な経緯は上記記事で把握してもらうことにして、話を進める上でポイントとなる部分だけ、はじめに整理しておくことにします。
ポイント1:製作委員会が公式に指摘したヤオヨロズの問題点は『情報共有が無いこと』のみ
ポイント2:ヤオヨロズ側は年末までたつき監督続投の可能性を探っていた
ポイント3:騒動の最中、製作委員会はたつき監督の続投を支持していた
では、これらのポイントを踏まえた上であらためて騒動の最中におけるヤオヨロズ側の行動を振り返ってみましょう。
【1】たつき監督のスタッフ募集ツイートを製作委員会は『決別宣言』と捉えたのでは?
たつき監督は騒動勃発後に、こんな感じで2回、アニメ制作スタッフの募集をTwitterでかけていました。当時、私は「2期の監督に復帰できることが決まって、2期制作スタッフを集めているのだろう」と思いましたが、そうではなかったわけです。今、振り返ると、こんな感じのすれ違いが起きていたのではという気がします。
たつき監督「ヤオヨロズがスタッフの少ない小規模な会社だから、2期を任せてもらえないんじゃないか。そうだ、Twitterでスタッフを募集して戦力増強しよう!そうすればきっと製作委員会も考え直してくれるはずだ!」
製作委員会「え、2期の制作を頼んだわけでもないのに、なんでスタッフ集めてるの?もしかして、別な作品の制作に取り掛かってるのか?2期を作りたいって気持ちが強い人かと思ってたけど、そうでもなかったのかな…。どうしよう、たつき監督に復帰してもらう予定だったけど、やる気が無い人を雇うのもなあ…。それに雇うにしても、たつき監督は知名度と求心力がありすぎて、条件交渉が難しそう。別の監督を探したほうがいいかな…」
【2】ヤオヨロズの海外視察を製作委員会は『侮辱行為』と捉えたのでは?
騒動の最中、福原Pはこんな感じで中国について語ったり、ロサンゼルス出張の報告をしたりしていました。当時私は、「たつき監督の続投が決まったので、派手に2期を盛り上げるために海外との提携の道を探っているのだ」と解釈していましが、そうではなかったわけです。今思えば、こんな感じのすれ違いが生まれていたのではと思います。
福原P「製作委員会は俺たちをなめているんだ。だから、2期の制作を頼んでくれないんだ!少しでも自分たちを大きく見せなければ!日本の組織にすぎない製作委員会にとって、海外は脅威となる存在のはず。その海外と手を組むような動きを見せれば、少しは俺らの意見も聞いてくれるようになるはず!」
製作委員会「えー、海外と組む気かよ。確かにたつき監督の知名度があれば不可能ではないのかも。どうしよ、たつき監督の続投に向けて調整を進めていたところだったけど、海外が好きと言ってる人たちと一緒に仕事をしてもうまくいくのかどうか…。っていうか、福原Pが海外を褒めているのを見るたび、自分たちがバカにされてるみたいでイライラするなあ…」
【3】三田祭へのたつき監督と福原Pの参加を製作委員会は『情報共有の拒否』と受け取ったのでは?
詳細は上の記事で確認してもらいたいですが、2017年11月26日に慶応大学の学園祭にたつき監督と福原Pが参加しました。参加者いわく神イベントだったのだそうです。
けっこう早い段階から参加するらしいという情報は出回っていて、私は当時、イベントでけものフレンズの話をするからには、もうそれは続投決定と考えていいんだろうと思っていました。
しかし、そうではありませんでした。そして、イベントで騒動についての言及が無かったこと、製作委員会もこのイベントに言及しなかったことから、ヤオヨロズの独断行動だったと思われます。おそらく、この行動もすれ違いを生んでいたのだと思います。
福原P「製作委員会はたつき監督がいなくてもなんとかなると思い込んでいるんじゃないか?たつき監督は絶対に2期に必要な存在なのになあ。ファンがたつき監督をどれだけ求めているかを示したい!でも、うちにはけもフレの権利がないから、できることは限られている。あ、そうだ、大学のイベントなら商業目的じゃないし参加してもOKだろう。よしよし、死ぬ気でイベントを盛り上げてやる!」
製作委員会「情報共有してほしいって言ってるのにどうしてそんなふうに自由に動いちゃうのかなあ?大学だろうが余裕でアウトなんだが。続投に向けて交渉したい気持ちはあるけども、こういう挑発みたいな行為をしてくる人と交渉するのはきついな…。っていうか、こっちはファンから敵扱いされて大変な思いをしているのに、二人はイベントを満喫したみたいで、まじでムカムカするなあ」
【4】たつき監督のトレンド大賞授賞式への参加を製作委員会は『私物化宣言』と受け取ったのでは?
2017年12月23日、たつき監督の続投の可能性が減りつつあった時期の出来事です。けっこう価値ある賞のようですが、製作委員会からこの賞への言及はありませんでした。よって、これもヤオヨロズの独断行動であり、すれ違いが起きていたと思われます。
たつき監督「この賞はお客さんへの賞なのだから、お客さんのためにもぜひ受け取りにいかないといけない!本当は製作委員会の許可が必要なのかもしれないけど、そんなこと言ってる場合じゃない!あ、でも、あんまり余計なことをしゃべるのはまずいだろうし、目立つべきでもないから、被り物をしていこう」
製作委員会「いやちょっと待ってくれ。情報共有が大事だって言ってるんだけども、伝わってないの!?変な被り物をして、そんなに目立ちたいの?そうまでして、けものフレンズという作品を自分の物だとアピールしたいの?我々だって作品づくりに関わってきたというのに、我々の存在は無視なのか!たつき監督の続投がベストだと思ってるけども、こういうことをされてはもう、理解できないし、信用もできないし…もう無理だわ」
まとめ
製作委員会が要求していたことは『情報の共有』だけだったわけですが、ヤオヨロズ側はそれを拒絶するような行動をとってしまっていました。その一方で、『制作体制の充実』や『海外との連携』など、製作委員会が全く要求していないことをアピールしていたように見えます。
結果的に製作委員会にとってヤオヨロズは『威圧行為を繰り返しながら、要求を全否定してくる恐ろしい存在』になっていたのではないでしょうか。そうであれば、たつき監督続投のための交渉が失敗に終わったのも当然に思えます。
双方がどんな思いだったのか気になるところです。
私が過去に書いていたけものフレンズの記事を読んでみたい人がいれば