藤井聡太の昇段条件まとめ 七段から八段へ
竜王戦連続昇級を達成し、七段昇段を果たした藤井聡太くんですが、「七段でいるのはいつまでなの?またすぐに昇段するのでは?」と気になった人もいるはず。そこで、藤井聡太七段が八段に昇段するための条件を調べ、条件ごとに最短で達成できる時期を推測してみました。2019年2月17日時点の情報で記事を作成。
注意
この記事は2019年2月17日時点の情報で作成しています。
それ以降、内容を更新していないので、情報はどんどん古くなっていっています。
ざっくりと結論を述べると
藤井七段が棋聖と王座を獲得できれば、タイトル2期という条件を満たすことができ、八段昇段できます。その場合、時期は2019年10月頃になる見込み。
藤井七段が来年、順調に竜王戦を勝ち進み、7番勝負で竜王保持者を倒して竜王を獲得できれば、その時点で八段昇段です。時期は早ければ2019年11月下旬になる見込み。
また、タイトルを全く獲れずとも、順位戦で昇級を続け、A級に到達できれば八段昇段できます。その場合、時期は最短で2021年3月。
タイトルを獲得できず、順位戦で停滞したとしても、順調に白星を積み重ね、七段昇段後に190勝できれば、八段昇段できます。その場合、時期は2022年7月頃になる見込み。
以下、なぜそういう結論になるのか、詳しく説明していきます。
藤井聡太七段が八段になるための条件
七段昇段後公式戦190勝 → 最短で2022年7月
何回負けてもいいので、七段昇段後にとにかく公式戦で190勝を積み重ねれば八段になれます。藤井七段は七段昇段後、まだ34勝しかしていないので、残り156勝が必要です。
藤井七段は2017年1月から12月までの1年間に51勝10敗という成績を残しています。似たようなペースで今後も勝ち続けることができるとすれば、190勝するのにあと3年半程度かかると推測されます。
よって、190勝での八段昇段は最短で2022年の7月頃と予想されます。
順位戦A級昇級 → 最短で2021年3月
順位戦B級1組に在籍する棋士が、A級への昇級を決めれば、その瞬間に八段昇段できます。
藤井七段のは現在、C級1組に所属していて、B級2組への昇級を目指しているところです。よって、A級に昇級するにはC級1組→B級2組→B級1組→A級という3段階の昇級が必要となります。
順位戦の最終戦は例年、3月に行われます。よって、藤井七段がこれから先、ストレートで昇級し続けていくとすれば、2021年3月にA級昇級により八段に昇段できることになります。
竜王位1期獲得 → 最短で2019年11月下旬
竜王以外のタイトルを1期獲得しただけでは八段には昇段できませんが、竜王だけは例外的な扱いになっていて、竜王を獲得すればその瞬間に八段になれます。
竜王を獲得するには竜王戦のランキング戦、決勝トーナメント、挑戦者決定3番勝負、そして、竜王保持者との7番勝負を勝ち抜く必要があります。例年、7番勝負の4局目は11月下旬、7局目は12月下旬に行われます。
藤井七段は今期の竜王戦ではすでに敗退しているので、来期の竜王戦で竜王獲得を目指すことになります。来期、勝ち続けて、7番勝負を4-0でストレート勝ちできれば、2019年11月下旬に八段昇段できることになります。
とはいえ、竜王保持者を相手にしてストレート勝ちは難しいと思われるので、4-3フルセット決着を想定するのが現実的でしょう。その場合、2019年12月下旬に八段昇段となります。
タイトル2期獲得 → 最短で2019年10月
竜王以外のタイトルを2回獲得すれば八段になれます。異なる2つのタイトルを新規に獲得でもいいですし、あるタイトルを獲得して翌年防衛でもOKです。
藤井七段がこれから先、竜王以外のタイトルを獲得するチャンスは次のようになっています。
2019年08月:棋聖
2019年10月:王座
2020年03月:王将
2020年03月:棋王
よって、藤井七段は棋聖と王座を獲得できれば、2019年10月にタイトル2期獲得で八段に昇段できることになります。棋聖と王座を逃しても、その後もタイトルを獲る機会は豊富にあるので、この昇段規定で昇段する可能性が最も高いと思われます。
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まとめ:早ければ2019年10月に八段昇段、遅くとも2022年7月には八段昇段
これから先、藤井七段に訪れる昇段チャンスを列挙すると次のようになります。
2019年10月:棋聖・王座を獲得できれば
→タイトル2期獲得により八段昇段
2019年11月下旬:竜王戦を勝ち進み、7番勝負にも勝てれば
→竜王位1期獲得により八段昇段
2021年3月:ストレートでA級まで昇級できていれば
→A級昇級により八段昇段
2022年7月頃:勝率と対局数を保つことができていれば
→七段昇段後公式戦190勝により八段昇段
よって、早ければ2019年10月に八段昇段、遅くとも2022年7月には八段昇段ということになります。
おまけ1:藤井聡太の昇段履歴
■四段昇段:2016年10月1日(三段リーグを突破)
14歳2か月でのプロデビューは最年少記録。加藤一二三九段の14歳7か月という記録を62年ぶりに更新しました。三段リーグ成績は13勝5敗でした。プロ入り後、29連勝をしたことを考えると、その直前に三段相手に5敗もしていたのは意外です。三段リーグの最中に将棋ソフトを使って研究するようになり、棋力が飛躍的に向上したと言われています。
■五段昇段:2018年02月1日(順位戦C級1組への昇級)
15歳6カ月での五段昇段は、残念ながら最年少記録ではありません。加藤一二三九段の15歳3カ月という記録があるので、第2位の記録となります。四段時の成績は61勝11敗。勝率84.7%。29連勝後にやや調子を崩し、若手棋士にちょくちょく負かされてしまい、評価が落ちた時期もありました。しかし、なんだかんだで安定して勝ち続け、特に長時間での対局では無類の強さを発揮。順位戦C級2組では9連勝して最終戦を待たずに昇級を決め、あっさり五段昇段となりました。
■六段昇段:2018年2月17日(朝日杯優勝)
15歳6ヶ月での六段昇段は最年少記録。加藤一二三九段の16歳3ヶ月という記録を62年ぶりに更新しました。五段時の成績は5勝0敗。負け無しで六段に昇段してしまいました。C級1組へ昇級を決めるタイミングが朝日杯優勝の後だったら、五段止まりだったので、日程にも恵まれていたと言えます。五段を名乗っていたのはわずか16日間だけなので、藤井聡太五段という揮毫が入ったグッズは超レア品になりました。
■七段昇段:2018年5月18日(竜王戦連続昇級)
15歳9か月での七段昇段は最年少記録。加藤一二三九段の17歳3ヶ月という記録を61年ぶりに更新しました。六段時の成績は10勝1敗。勝率90.9%でした。七段に昇段したことでついに師匠の杉本昌隆七段と同じ段位になってしまいました。また、新人王戦に出られるのは六段以下の棋士のみなので、藤井七段は来季以降、現役最年少棋士でありながら新人王戦に出られないというちょっと変な状況になってしまいました。
■八段昇段:???
加藤一二三九段が「藤井さんが20歳までに八段になっていれば天才と言ってあげる」と公言していますが、果たしてどうなるのか。「タイトル2期で八段」という昇段規定が新設されたことで、難易度がやや下がりました。
おまけ2:29連勝で五段昇段できなかったの?
2017年6月26日に藤井四段は増田四段との対局に勝利し、新記録である29連勝を達成。理事会がこれを五段昇段条件のひとつである「類まれなる成績」と認定すれば五段昇段できるのではと期待されました。プロ棋士の大平六段もブログで好意的な書き込みをしていました。
しかし、残念ながら、「類まれなる成績」に認定するという話題が報道されることすらなく、五段昇段はなりませんでした。いくら連勝記録がすごいとは言っても、大会で優勝したわけではないので、「類まれなる成績」とは認定しづらかったのかもしれません。あるいは、藤井四段は通常の規定ですぐに五段昇段するだろうから、特別対応は必要ないと判断したのかもしれません。
ほかにも藤井聡太の記事をいろいろ作っています
記事作成にあたっては様々なサイトを参考にしました
以下、八段に昇段するための条件をひとつずつ紹介し、藤井七段がその条件を満たす機会としてどんなものがあるのか、その機会が来るのがいつ頃になるのかを解説していきます。