漫画家のやくみつる氏（65）は、15日放送のTBSラジオ「ナイツのちゃきちゃき大放送」に生出演し、ロックバンド「Mrs. GREEN APPLE」の新曲「コロンブス」のミュージックビデオ（MV）公開停止問題についてコメントしました。このMVは12日に公開されましたが、一部の視聴者から「理解に欠ける表現があった」として批判を受け、公開が停止されました。

やく氏は「自分はこれ（MV）見てないので、ニュアンスまでは把握してないんですけど」と前置きしながら、一部の白人に有色人種に対する差別意識が根強く残っていると指摘しました。その上で、今回の問題で特に驚いたのは、「コロンブスが今、全否定されている」ということでした。

やく氏は、「コロンブスが新大陸に行って虐殺したという認識が広がり、大悪人扱いされていることに驚いた」と語り、彼が学んだ時代とは大きく評価が変わっていることを実感したと述べました。「時代が新しいと、ヒトラーが全否定されるのは理解できるが、コロンブスがこうして否定されるのは意外だった」と話し、歴史が再評価される過程での変化に驚きを隠せない様子でした。

さらに、やく氏は「こんなこと言ったら、日本の武将なんて、身内同士で殺し合いの歴史だ。大丈夫なのか」と、日本の歴史上の人物も同様に再評価される可能性について懸念を示しました。「歴史人物の評価が遡って否定されることもあるが、それがどのように進行するのかを見守る必要がある」と述べ、コロンブスが悪人として見られる現状に驚きつつも、歴史評価の変遷についての見解を示しました。

ネット上でも、やく氏のコメントに対して様々な反応が見られました。「ずれているな(笑)」といった声や、「国内で殺し合いしていたのと違うやろ」といった意見が寄せられました。また、「日本の武将とは全然やってることが違うだろう」「コロンブス関係なく類人猿に人力車引かせるのがまずいよね」など、やく氏の発言に対する批判的な意見も多数見受けられました。

一方で、「昔の教育だと新大陸発見した偉人として教わったが、ネイティブアメリカンはずっとそれはおかしいと訴えていた」と、時代による歴史教育の違いについて理解を示す声もありました。やく氏の発言は、歴史評価の変遷に対する考えを再認識させるきっかけとなったようです。