朝日酒造が新たな挑戦!「久保田」ブランド初のジン「KUBOTA GIN」誕生
日本酒「久保田」で知られる朝日酒造が、200周年を機に蒸留酒事業に参入。新潟県産の米や里山のボタニカルを使用した「KUBOTA GIN」を発売。自然の癒しをテーマに、飲みやすさと上質な香りを追求したこだわりのジンとは?
朝日酒造が新たな挑戦!「久保田」ブランド初のジン「KUBOTA GIN」誕生
新潟県長岡市に拠点を置く朝日酒造株式会社は、2030年の創業200周年を迎え、新たな挑戦として蒸留酒事業に参入することを発表しました。
2024年9月12日には、本社敷地内に建設された「越路蒸留所」の竣工式が執り行われ、日本酒だけでなく、ジン市場への進出を表明しました。
国内外で市場が拡大しているジンに着目した朝日酒造。その理由は、ジンが蒸留酒の中でも原料や製法の自由度が高く、企業独自の表現が可能な点にあります。また、新潟県で米作りを営む農家との連携を強化し、将来的には米を使ったジン造りの可能性も探求していく計画です。長年、地域社会と密接な関係を築いてきた朝日酒造ならではの、新たな地域貢献の取り組みと言えるでしょう。
新商品のジンは、「KUBOTA GIN」と名付けられ、代表銘柄である「久保田」を冠することで、将来的な海外展開も見据えています。商品コンセプトは「自然とのつながり」。里山の風景や香りをイメージし、くつろぎと癒しを提供することを目指したそうです。
「KUBOTA GIN」は、豊かで洗練された香味、飲みやすさを考慮したバランスの良さ、繊細でまろやかな味わいを実現しています。さらに、ボトルやパッケージのデザインにもこだわり、落ち着いた雰囲気に仕上げました。
16種類のボタニカルを個別に蒸留し、複数の原酒をブレンドすることで、複雑で奥深い香りを作り出しています。ジュニパーベリーやコリアンダーシードといった定番のボタニカルに加え、杉の葉やクロモジ、笹の葉などの里山をイメージしたボタニカルも使用。時間の経過とともに変化する、多層的な香りが特徴です。
「KUBOTA GIN」は、日本酒「久保田」が持つ品質へのこだわりと高級感を継承しながら、より幅広い層に親しみやすいジンを目指しています。現在、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて、9月末まで支援者を募集中です。2024年10月下旬以降、支援者に返礼品として商品が発送される予定です。
「越路蒸留所」は、蒸留器2基をはじめ、ベーススピリッツ用タンク、調合・製品タンク、原酒タンクなどを備えています。最大生産能力は約9万本/年で、年間2万本の生産を予定しています。蒸留所には、製造専任者2名を含む9名が従事し、新潟の地から新たな蒸留酒を生み出していきます。
朝日酒造は、1830年(天保元年)に創業以来、新潟県長岡市朝日で酒造りを続けてきました。良質な酒米と清冽な地下水、そして越路杜氏の技術を継承しながら、品質本位、お客様本位の姿勢を貫いています。今回のジン事業参入は、伝統を守りながら革新を続ける朝日酒造の新たな挑戦と言えるでしょう。
朝日酒造が手掛ける初のジン「KUBOTA GIN」は、日本酒「久保田」の品質へのこだわりを受け継ぎながらも、新たな挑戦として非常に興味深い試みです。
「久保田」というブランドイメージは、高級感と品質の高さで定評があります。そのブランド力を活用し、ジンという新たなカテゴリーに参入することで、幅広い層に「久保田」の世界観を伝えることができるでしょう。
特に注目すべき点は、里山の自然をテーマにしたボタニカルの選定です。杉の葉やクロモジ、笹の葉など、新潟の自然を表現した香りは、これまで日本酒で培ってきた地域とのつながりを、ジンという新たな形で表現していると感じます。
「KUBOTA GIN」は、単にジンを作るのではなく、自然との調和や癒しといったテーマを込めた商品である点が魅力的です。ジン本来の爽やかなジュニパーベリーの香りに加え、里山の植物が織りなす複雑な香りは、飲む人の心をリラックスさせ、穏やかな時間をもたらしてくれるのではないでしょうか。
また、クラウドファンディングを通して、消費者と直接的なつながりを築いている点も評価できます。支援者からの意見を参考に商品開発を進めることで、より消費者のニーズに合わせた商品を生み出すことができるでしょう。
「久保田」という確固たるブランドイメージを背景に、新たな挑戦を続ける朝日酒造の姿勢は、他の酒造業界にとっても刺激になるはずです。今回のジン事業の成功は、日本酒の枠を超えて、日本の蒸留酒の未来を拓く可能性を秘めていると感じます。
「KUBOTA GIN」は、日本酒好きだけでなく、ジンファンにとっても魅力的な選択肢となるでしょう。今後の展開にも期待が高まります。