不動産賃貸業(大家業)を営んでいる者です。自主管理です。この度、給湯器や給排水ポンプが並ぶ、【コロナ禍で故障したら死ねる設備機器リスト】に「タワー型立体駐車場」が加わりました事を、ここにご報告させていただきます。復旧まで毎日、20万円弱の出費で泣いてました。以下、時系列の出来事↓

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

1週間前の18時半頃、月極のタワー型立体駐車場(収容台数32台・満車)が故障したと連絡有り。契約者様(以下敬称略)が入出庫できない状態に。電話鳴り止まないやつ。申し訳ないやつ。ただこの時は「毎月きちんとメンテしているし、こまめに部品も交換している。数時間で復旧するだろう」と思っていた。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

契約中のメンテ会社に駆けつけてもらったら、左回転不可能であることが明らかに。ん？やばくね？　
※「じゃあ、右回転に固定すりゃいいじゃん」とお思いかもしれないが、この立駐の自動運転は、目的のパレットを近い方(右回転or左回転)で呼ぶので、それは難しい(シーケンサーをいじる必要がある)。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

時刻は19時半過ぎ。1時間調べてもらったが、
1)原因不明。すぐには復旧できそうにない。
2)今はメンテ会社が手動操作(右回転)をすれば出庫はできる
3)可能性は低いが、今後完全に故障することもありうる

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

とのこと。兎に角、一刻も早くこの状況をすべての契約者に知らせる必要がある。電話だと時間がかかるので、契約者及び利用者にSMSをPCから一斉送信（契約者連絡先とともに実際に車を使う人の携帯番号リストを普段から整備しておいた。わいGJ……)。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

立体駐車場の故障で一番最悪なのは、完全停止して、中の契約者の車が取り出せなくなること。素人考えでは「完全停止しても、気合でパレットをぐるぐる回して取り出せば？」なんて思いがちだが、この立駐は全然無理らしい。滅多に無いとはいえ、

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

車の缶詰はやばい。万一に備え、1秒でも早く立駐を空にしなくてはならない。メンテ会社には現地にはりついてもらい入庫を阻止、僕はパレットを回し続けて、入庫中の車のナンバーから契約者を特定していきメモをしながら「出してほしい」と電話。(パレット番号と契約者番号は紐付いていない乙)

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

既に夜分だったが、改めて電話で契約者全員に謝罪と事情説明。つながった人に
・車は入れないでほしいこと
・入庫中なら出してほしいこと
・近隣のコインパーキングを使ってほしいこと
・その費用は後日所有者が精算するので領収書を保管してほしいこと
等を伝える。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

手前味噌臭くなりますが、この立駐は容積率800%の大通り沿いにあり、近隣のコインパーキングはとても高く、最大料金が設定されていないところが多い。しかも、契約者様には賃貸不動産業者様など頻繁に車を出し入れする方が多いっていうね。あばー

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

「下手したら復旧まで一日あたり30万円くらいかかるのではないか……」と怯えるが、起こってしまったことは仕方がない。この時点で15区画のお客様と連絡がついた。あとの17区画の方々には再度メールをし、明日朝に連絡することに。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

連絡がつかない方の入出庫がいつあるかわからないので、メンテ業者のうちの1名には、徹夜で駐車場の前に張り付いていただくことに。ありがたい。また、所有者からの書面を現地でPCを広げて作成し、その担当の方に数十枚預けて契約者が来たら渡してもらうことにした。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

ここでのポイント?は、コインパーキング代の支払いを確約することに加え、所有者側で【近隣の1日最大料金のある駐車場リスト】をつくって推奨駐車場として一応添付すること。そもそも復旧できるのかもわからないが、解約=駐車場廃業となっても、できる限り損失は少なくしたい。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

(だめだ、このまま書くと収集がつかず、うざくて、たくさんの人にフォロー外されて終わりな気がする、、、すみません)

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

次の日の朝8時、早い時間に迷惑とわかっていながらも、連絡のつかなかった契約者に電話。駐車場に来て入られないというのが一番お怒りになるだろうし。連絡がつかない人が残り3名、入庫中の車が6台。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

昼をすぎると僕のメールやLINEにはどんどん領収書の画像が到着する。デジタルデータなので、物理的に質量は増していないはずなのに、スマホと僕の心がどんどん重くなっていく。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

「近隣よりめちゃくちゃ安くて、1日最大料金もあるところ見つけたのでそこに停めました！」というコメントとともに写真がLINEが届く。
節子、問題文はよく読んでくれ。それ1日最大料金やない、3時間繰り返し最大料金や…… https://t.co/DttaOfYcTZ

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

蛇足だが、契約者にきちんとした企業が多いからか、罵倒されることは殆どなく、むしろ「ご苦労様です」「頑張ってください」など優しい言葉を沢山いただいた。普段の賃貸マンション自主管理で、どう考えても理不尽なクレームや、○すぞ的な言葉の暴力を浴び続けているので、

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

このような大変なご迷惑をおかけしている状況での優しい言葉に慣れておらず、心にしみた。BtoBバンザイ。(まぁ、住宅ではなく代替が利く駐車場っていうのもあるだろうけど)

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

故障から2日目の夕方になって、故障の原因がやっとわかる。珍しい型の電磁接触器(可逆式)、あと素人には何かよくわからないコネクタ的部品。

さて、製造元に問い合わせると、なんと、納期が、コロナで、半導体不足で、2ヶ月半後！！

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

あばああああああああああああああ！！！！コロナかああああああああああああ！！目の前の対処に精一杯でそんな可能性忘れてたわ。そりゃそうだわ！
立体駐車場は！そう！誰がどうみても！！機械です！！！！パニクり具合、給湯器の比じゃねぇwww

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

（※コロナ禍じゃなかったら1,2日で手に入るものらしい。おわた。）

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

うーん、マンダム。ヤフオクで売っているようなものでもない。新品の手配ではなく、誰かが奇跡的に保管してる中古を探す方向に切替えざるを得ない。メンテ会社が他の競合メンテ会社数十社に問い合わせてくれるも、まったく見つからず。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

この契約中のメンテ業者に、別の部品をつけてみたりと色々していただいたが無理だった。オーナー様でご存知のところがあれば他社もあたってほしいとのこと。お手上げやんけorz　コロナめ……。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

(このメンテ会社様は僕が取得する前からメンテをしていて、メンテも丁寧だったので、引き継がせてもらった。比較的安かったし。しかし、こういう時に強いのはやはり正規のメーカーメンテである。メーカーであればどんな細かな部品でも在庫をもっている。※当然メンテ先にしかおろさない)

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

素人が察するに、これは恐らく「数十年前のVodafoneのこのガラケーのこのボタンある？ほぼ新品で。」みたいな話なんだろうと思った。無理ゲーやん。このあたりから、一斉解約し建物を取り壊し、更地売りor自社で建替えのシナリオも検討し始める。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

（※なんちゃってExcel不動産投資屋的には一旦解約をお願いして、3ヶ月後に立駐を直せたら改めて新規募集というのがいいんだろうけど、これも機会かなと思いまして。）

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

3日目朝、契約者全員に未だ復旧できていないことを連絡し、ひたすら謝罪とご説明。急なクレームや出庫連絡はおさまってきたので、徹夜続きのメンテ会社には一旦休んでいただいて、今後の方針を決める。あと10日あがいて無理だったら、とりあえず、謝罪の上、全て解約をお許しいただく方向で。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

2日目のコインパーキング代を集計してみたら合計18万ちょっとだった。想定より少なかった。よかった（よかった？

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

そこから復旧を目指しメンテ業者様や製造元のOBなど、過去の名刺から、知り合いの知り合いまで何か情報をくれそうな人をみつけては、ひたすら土下座する日々。会える距離の人には会いに行く。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

(商売って、いっかいこっきりじゃないんだなぁ、いつ何時、こうやって助けを求めなきゃいけないことになるかわからない。どんな些細な出会いでも、大切にしなければならないし、助けを求められたらできる限り助けないといけないな……)などど、当たり前のことを痛感する。お前社会人何年目だよ、、、

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

また、こういう緊急時にいつも悩むのは、色んな人に協力をお願いしても、施工をお願いするのは一番早い業者様ということになり、他の動いてくれた人に損をさせ、また紹介者など間の人の顔をつぶしてしまうこと。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

しかし、所有者として、いちばん大切なのは目の前の契約者（お客様)なので、復旧の可能性を高めるため、また1秒でも早く復旧するために、数を打つのは仕方がない。ビジネスである。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

そこでお願いした人には、早かろうが遅かろうが動いていただいた分の手間賃、人件費は払うことをお約束した。例えば5日後に修理の人員をおさえていただいたのに、結局他社で部品が見つかり直していただいたとなっても、その5日後の工賃は払わせてほしい、ということを伝えた。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

4日目の朝。恒例の契約者全員への状況報告。そろそろ不安に思って他の月極駐車場を探し始める方もでてくるだろうと思うので、「他のメンテ会社様をあたった結果、A社とB社が来週みてくれることになりました！」などと逐一報告する。※復旧するとは言っていない

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

この頃には「コインパーキング高いんでしばらく電車で通いますね」「コインパーキングよりレンタカーの方が安いのでそちら使いますね」という声がたくさん集まる。泣ける。絶対復旧させたい。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

5日目。一番可能性の高い、力のある他業者様をアポなしで訪ねて(2回目。とても迷惑。)、再度お願いする。「基本的に弊社はメンテ契約していない駐車場をスポットで補修することはない、何故なら修理後の故障の責任の所在が曖昧になるから」

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

また、「今回の立体駐車場は製造元との約束(業界のマナー?)的なものがあり、申し訳ないが手を出せない」「そもそもこの部品(電磁接触器ではない方)はないと思う」とのこと。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

6日目。絶望的かなぁ、と思って領収書を集計しながら泣いていたところ、昨日の業者から

「状態のいい代替部品がどちらも見つかった。しかも、運のいいことに同じ近畿圏。専務直々に今から現場調査に行くと言っているが1時間後来れる？今回だけやで。」

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

もう電話持ちながら感謝で震えた。ほんま震えた。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

現場調査。今日は下見だけかなと思ったが、別部隊は既に遠方に部品を取りに行っており、戻り次第、本日中に復旧を試みるという……、か、神様かな、、、。僕はそのまま現場で待機。できること何もないけど。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

蛇足だが、この会社本当に素晴らしいなと思った。対応は鬼早いし、会う人会う人、いい人ばかりだ。当然技術力も高い。惚れた（チョロい。

数時間後、夢にまで見た部品が到着。そう、これです！1時間半ほどで部品交換完了。素人がみてても手際が良すぎた。そして、いよいよ問題の左回転で試運転する。

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

「直ってくれ、止まるな、止まるな」「お前、これで直らなかったらスクラップだぞ、頼む、頼む」と思いながら見つめていたら、止まらず一回転した！！！！
その後、何度も何度も試運転を繰り返し、復旧しても問題ないということに！！！

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

やったああああああああああああああ！

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 25, 2022

すぐに契約者皆様に仮復旧の報告。そして、数日後には製造元にフルチェックをしてもらい問題なければ本復旧ということも合わせて報告。もうコインパーキングの領収書に怯えることはないぜい！！

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 26, 2022

また別の業者様から電話が鳴って、"自社では無理だったけど、なんと駐車場の製造元にダメ押し検査してもらうことが可能。もう日程と人員をおさえた"とのこと。（製造元はメンテ契約していない駐車場のスポット調査などはNGらしいが、無理を言って来てもらうとのこと。ありがたし！！）

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 26, 2022

そして今日、製造元のチェックも終了！基本使用に問題なし！（当然、「将来的には数千万かけてリニューアルしたほうがいい」とは言われた。一応、お見積もりもお願いした。）

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 26, 2022

まとめると、人のありがたさに気づけたトラブルでした。もう二度と経験したくないですが、立体駐車場を所有していたらまたいつかこうなりますね。よい勉強になりました。デトックス的連投、大変失礼しました。完

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 26, 2022

たくさんの労いのお言葉ありがとうございます。真顔でくさい台詞を吐きますが、今回は人に、賃借人に、たいへん恵まれましたわ。。。感謝しかない。運もよかった。そして、僕の脇が甘かった。だるんだるん。反省。 twitter.com/keitom/status/…

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 26, 2022

元メーカーの人間から
入庫数から推測すると30kwか37kwモーター駆動用のSC-N6かSC-N7と同クラスの接触器死亡によるモーター起動不可の模様
独立系メンテが入ってるみたいだけど他業者から部品を手配できた非常に珍しく幸運なケース
っていうか主モーター駆動用の接触器の予備持ってないんかいって案件 twitter.com/keitom/status/…

— Halberstadt (@Halberstadt_DDR) Apr 26, 2022

元メーカー様現る！
電磁接触器はSC-N10でした。知識がないので詳しくはわからないのですが、裏のショートバー、その他部分の改造?も必要であったようで難航しました。今回の件で懲りたので接触器の予備はメンテ会社様に手配済みです。常に備えないと駄目ですね。反省です。 twitter.com/Halberstadt_DD…

— Keitom土地が好き (@keitom) Apr 26, 2022