10日午前4時ごろ、京都府久御山町森のねぎ畑で、京野菜「九条ねぎ」約100キロ（時価約9万円相当）が盗まれているのが見つかりました。府警宇治署が窃盗事件として捜査を進めています。

同署によると、現場は京都市左京区の農産物会社が所有する畑で、近くを通りかかった人が「不審な人物が畑の周りにおり、そばに軽トラックが止まっている」と通報したことから発覚しました。同署員が現場に駆けつけると、トラックは北に走り去ったということです。

九条ねぎは葉が厚く甘みの強いのが特徴で、平安時代の記録にも栽培が記されています。「京のブランド産品」にも認証されており、JA全農京都によると、2023年の出荷量は約1400トンに上ります。旬は冬とされますが、1年を通して収穫、出荷されています。

今回の盗難事件について、SNSでは多くの意見が飛び交っています。

「100kgでも9万円なの！？」と驚く声もあれば、「治安悪」と地域の治安を心配する声も見られました。また、農家の苦労を思いやる声も多く、「農家さんもやってらんないだろうな」、「これから収穫するために育てている作物をさらうなんてヒドイ！」といった投稿もありました。

農家の被害は深刻で、「犯人捕まって商品が戻ったとしても、価値がおそらくなくなるだろうから、大被害ですね。その上、どうせ賠償もできないような身元の人たちなんでしょう」との指摘もあります。

一方で、このような窃盗が増えていることについて、「窃盗が増えている気がする」と感じる人もいれば、「同業者の仕業かも」と、業界内の競争激化を背景にした犯行を疑う声もありました。また、「どうやって盗んだ分をマネタイズするんでしょうか？どこか販路があるってこと？とにかく酷いです」と、犯人の動機や手口について疑問を抱く声も見られます。

さらに、農業政策の強化を求める声も上がっており、「可哀想で酷い話だね。農家もそうだけども、一時産業の保護政策も加速度的にあげて行かないといけないし、国や自治体に期待したい。特に岸田政権には期待する」といった投稿もありました。

警察は現在、盗まれた九条ねぎの行方を追うとともに、犯人の特定と逮捕に向けて捜査を進めています。地域住民にも警戒を呼びかけており、農産物の盗難被害が再発しないよう対策を強化しています。

この事件を通じて、農家の労働の価値と、それを守るための法整備の必要性が改めて浮き彫りになっています。今後の捜査の進展が注目されます。