「総務」と聞くと、事務作業や書類作成といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか？しかし、現代の総務部門は、企業の成長を支えるための重要な役割を担っており、その中でも情報収集は欠かせない活動となっています。

株式会社月刊総務が実施した「総務の情報収集についての調査」では、7割以上の総務担当者が情報収集に力を入れていることが明らかになりました。特に注目すべきは、3割以上の総務担当者が「経営からの情報収集」に特に力を入れているという点です。これは、経営層の意思決定を支援し、企業戦略の実行を促進するため、経営情報を的確に把握することが重要視されていることを示しています。

現場からの情報収集では、社員へのヒアリングが最も多く、約半数の総務担当者が「ぶらぶら総務」を実践していることがわかりました。これは、オフィス環境や職場の人間関係、従業員のウェルビーイングに関する情報などを直接聞き取ることで、現場の声を経営層に届け、より良い労働環境づくりに貢献していることを意味しています。

経営からの情報収集では、会議の議事録の閲覧が最も多く、経営層との直接的なやり取りよりも、文書を通じた情報収集が主流であることが明らかになりました。これは、会議の議事録を精査することで、経営戦略や重要課題に関する情報を効率的に収集し、今後の業務に役立てていると考えられます。

社外の最新情報収集では、インターネット検索が最も多く利用されており、ニュースサイトやメルマガ、新聞・雑誌・テレビ等のメディアなど、複数の情報源を活用している総務担当者が多く見られました。これは、最新の法改正や業界トレンド、競合企業の動向などを把握することで、企業の競争力強化に役立てていることを示しています。

総務担当者が情報収集力を必要とする理由として、「労働環境を改善するため」や「社内の問題点を早期に発見するため」といった回答が多く、情報収集を通して、従業員満足度向上や企業全体の効率性向上に貢献していることがわかります。

一方で、情報収集における課題として、「情報収集のためのリソース不足」や「社内の協力体制の不足」、「情報分析力の不足」などが挙げられました。これらの課題を克服するためには、外部セミナーの受講やデジタルツールの導入など、積極的な取り組みが必要となります。

総務部門が情報収集力を強化することで、企業全体の意思決定や問題解決において、より迅速かつ的確な対応が可能となり、企業の競争力強化に貢献するでしょう。

今回の調査結果から、総務部門が情報収集において重要な役割を果たしていることが改めて証明されました。単に事務作業を行う部署というだけでなく、企業全体の成長を支える情報収集のプロフェッショナルとして、その重要性がますます高まっていると感じます。

特に印象的だったのは、多くの総務担当者が「ぶらぶら総務」を実践しているという点です。これは、机上の情報だけでなく、現場の生の声を直接聞き取ることで、より深い理解を得ようとする姿勢を表しており、素晴らしい取り組みだと感じました。

しかし、情報収集におけるリソース不足や協力体制の不備といった課題も存在しており、今後の改善が求められます。企業は、総務部門への支援を強化することで、情報収集力をさらに高め、より効果的な意思決定や問題解決につなげることができるでしょう。

総務部門は、企業にとって欠かせない存在であり、その情報収集能力は、企業の競争力を大きく左右する重要な要素です。今後も、総務部門の活躍と情報収集能力の向上に注目していきたいです。