島根県浜田市の介護施設向け食品会社「有限会社 齋藤アルケン工業」は、地元の矢上高校の生徒と共同で、高齢者向けレトルトカレーを開発しました。このカレーは、高齢者の健康課題であるタンパク質とカルシウム不足に着目し、大豆と廃棄されるマトウダイの頭と骨を粉末にしたものを隠し味に用いています。
マトウダイは浜田漁港で多く水揚げされますが、身の部分のみが利用され、頭と骨は廃棄されてきました。しかし、マトウダイの頭と骨には、カルシウムとタンパク質が豊富に含まれているため、それを有効活用することで、高齢者の栄養バランス改善に役立てようという発想から生まれたのです。
カレーの開発には、矢上高校の「食と農研究会」の生徒たちが積極的に参加しました。生徒たちは、高齢者の食生活や栄養バランスについて学び、試行錯誤を重ねながら、高齢者にも食べやすく、栄養価の高いカレーレシピを完成させました。
開発されたレトルトカレーは「体にやさしい”まご“のまごころ豆カレー」と名付けられ、9月16日(月・祝)に「ショッピングセンター アベル」にて販売イベントが開催されます。イベントでは、矢上高校の生徒たちがカレーを販売し、試食も提供されます。
今後は、地元のスーパーや道の駅、そして「齋藤アルケン工業」のウェブサイトでも販売される予定です。地域貢献と高齢者の健康をサポートする、高校生発のレトルトカレーが、多くの人々に愛される商品となることが期待されます。
高齢者の健康問題と食の課題、そして食品ロスという社会問題を、高校生と地元企業が連携して解決しようという試みは、非常に素晴らしいと感じます。廃棄されるマトウダイを有効活用し、高齢者の栄養バランスを改善するという発想は、まさに一石二鳥と言えるでしょう。
このレトルトカレーは、高齢者だけでなく、健康に気を遣うすべての人にとって魅力的な商品だと思います。また、地元の高校生が開発に関わったという点も、地域活性化に貢献する素晴らしい取り組みです。
今後は、このレトルトカレーが、より多くの人に知れ渡り、高齢者の健康をサポートするだけでなく、地域経済の活性化にも繋がることを期待しています。