ティアックは、同社の人気シリーズであるReference 500シリーズに新製品を追加することを発表しました。2024年6月より発売されるこの新製品「UD-507」は、USB DAC/プリアンプ/ヘッドホンアンプの多機能オーディオ機器です。既に発売されているUD-505-Xの上位モデルに位置付けられ、音質と性能をさらに向上させた点が特徴です。
新製品の中心的な要素となるDACには、自社で新たに設計されたディスクリートDAC「TRDD 5」が搭載されています。このDACは、Reference 700シリーズでも採用されているディスクリートDACと同等の回路規模を持ち、音質を徹底的に追求しながらも小型化に成功しています。その結果、A4サイズのコンパクトな筐体に収めることができました。特に、澄み渡る音場と実在感溢れる音像が実現されており、音楽ファンにとっては新たな音楽体験が期待されます。
UD-507の主な特長の一つは、フルバランス・デュアルモノ設計のヘッドホンアンプです。このアンプには、強力な電流供給能力を誇る「TEAC-HCLD2」ラインドライバーが使用されており、電源部も強化されて最大出力が大幅に向上しています。これにより、余裕のある駆動力が1,200mW + 1,200mW (バランス出力、100 Ω負荷時)を実現しました。また、アンプ出力の低インピーダンス化を図り、LOW/MID/HIGHの3種類のゲイン切替機能も搭載されています。これにより、ヘッドホンの感度やインピーダンスに合わせて、最適な出力に調整することが可能です。
さらに、UD-507は上位モデルに引けを取らない高品位かつ拡張性の高いプリアンプ機能を持っています。特に、アナログボリュームアッテネーター「TEAC-QVCS」と電流伝送強化型ラインバッファー回路「TEAC-HCLD2」を採用し、デジタル5系統およびアナログ2系統(アンバランスとバランスの各1系統)といった豊富な入力端子を備えています。
その他の特長としては、全段デュアルモノーラル・フルバランス回路構成による優れたチャンネルセパレーション、USB DACとしてのDSD22.5MHz、PCM 384kHz/32bitの再生、Bluetoothを含むデジタル5系統およびアナログ2系統の入力端子、ヘッドホン出力端子のバランス駆動/アクティブグランド駆動切替機能、そのほかLDAC、aptX™ HD、LHDCなどの高音質コーデックに対応したBluetoothレシーバー機能、そして「RDOT-NEO」による2xFs/4xFs/8xFsへのアップコンバート機能などが挙げられます。
価格はシルバーとブラックの2色展開で、税込327,800円。ティアックブランドマネージャーである吉田穣氏によれば、「UD-507の最大の特長は、音楽性を最優先に設計された自社製ディスクリートDAC『TRDD 5』を搭載した事です」とのこと。音楽のディテールをもっと身近に感じることができるこの新製品を、ぜひお手に取っていただきたいです。