「わが家は祇園の拝み屋さん」シリーズで人気を博す作家、望月麻衣の新作『京都下鴨 神様のいそうろう』が、角川文庫より発売されました。
本作は、京都の下鴨神社を舞台に、神様と人間の交流を描いたファンタジー小説です。主人公は、不思議な力を持つ美青年・賀茂理龍と、彼を「生き神様」と崇める高校生の春宮萌子。二人は、神様や神使たちの困り事を解決したり、願いを叶える手助けをする日々を送っています。
物語は、萌子の元に現れた、つがいのモルモットの姿をした神様から始まります。二柱は、自分たちが何者で、何のために現世に来たのか記憶を失っており、萌子と理龍は彼らの記憶を取り戻すため、そして、七福神たちが消えてしまうという事件の謎を解くため奔走します。
「わが家は祇園の拝み屋さん」シリーズの世界観を受け継ぎつつ、新たな魅力あふれるキャラクターやストーリー展開で、読者を魅了する作品です。京都の美しい風景描写や、神様たちの個性的なキャラクター、そして、萌子と理龍の友情や恋愛模様など、様々な要素が詰まった、心温まるファンタジー小説となっています。
発売を記念して、烏丸御池のバス停に広告が掲出され、JR京都駅ではビジョン広告も放映されています。京都を訪れた際は、ぜひ広告を探してみてはいかがでしょうか。
『京都下鴨 神様のいそうろう』は、望月麻衣さんの優しい筆致と、京都の美しい風景描写が魅力的な作品でした。神様たちの個性的なキャラクターも印象的で、特に、記憶を失ったモルモットの姿をした神様たちの可愛らしさに心を奪われました。
萌子と理龍の友情も、作品の魅力の一つです。理龍のクールな外見とは裏腹に、萌子に対する優しさや愛情を感じることができ、二人の関係性が物語の中でどのように変化していくのか、とても興味深く読み進めました。
また、七福神たちが消えてしまうという事件を通して、神様と人間の繋がり、そして、それぞれの存在の尊さについて考えさせられる場面もありました。
全体的に、ほっこりとした温かい気持ちになれる作品でした。京都の街を舞台にしたファンタジー小説として、とてもおすすめです。