28連勝なるか?藤井聡太四段VS澤田真吾六段の勝敗予想!過去の対戦内容やコンディションから考えると…
2017年6月21日、第67期王将戦一次予選で藤井聡太四段が28連勝をかけて澤田真吾六段と対戦します。澤田六段は前回、藤井四段に勝ちかけた棋士であり、前回より今回は研究時間が豊富であるなど、期待できる要素が多いです。一方、藤井四段も「どんどん成長している」と評価されたりしていて、予測される勝率は…。
澤田真吾六段のデビュー年齢と在籍クラス
澤田真吾六段の棋風
居飛車を指すことが多いですが、振飛車を指すこともあります。過去の居飛車と振飛車の採用比率は89対11となっています。
ちなみに本人は四段昇段時のインタビューで「得意戦法は特にない」「序盤を弱点と感じている」という趣旨の回答をしています。
藤井四段は居飛車党ですから、この二人が対戦すれば相居飛車になる可能性が高いです。実際、前回の対戦では相居飛車の角換わりになりました。ただ、澤田六段が序盤からリードを奪うために変化球気味に振飛車を指してくる可能性も無いとは言えません。
澤田真吾六段の最近の活躍
澤田六段の各年度の勝率は次のようになっています。
2013年:68%(26勝12敗)
2014年:65%(28勝15敗)
2015年:51%(19勝18敗)
2016年:70%(28勝12敗)
2017年:80%(8勝2敗)
2015年度は不調でしたが、その後、急激に調子を取り戻し、今季は絶好調です。特に王位戦では目覚ましい活躍を見せました。
『澤田真吾六段 VS 藤井聡太四段』の勝敗予想!
澤田六段に有利な要素1:前回、あともう一歩の所まで追い詰めた
実は澤田六段はすでに今年度、6月2日に藤井四段と対戦して負けています。藤井聡太四段から見て、20戦目の相手でした。
気になるのは前回の対局の内容ですが…。
澤田六段に有利な要素2:今回の澤田六段は研究時間が豊富
前回の藤井四段と澤田六段の対戦は6月2日に行われたのですが、そのとき、澤田六段はあまり藤井四段の対策をする時間的余裕はなかったと思われます。
なぜかというと、王位戦の挑戦者決定戦が6月9日に控えていたからです。今までタイトルに挑戦したことのない澤田六段にとって、挑戦者決定戦は藤井四段との対戦よりもはるかに重要度が高かったはずです。藤井四段の対策よりも、挑戦者決定戦の相手である菅井竜也七段の対策を優先せざるを得ない状況だったと考えられます。
しかし、今回は状況が違います。もう挑戦者決定戦は終わってしまったので、澤田六段は全ての時間を投入して徹底的に藤井四段の将棋を研究し、対策を練っているはずです。もしも藤井四段が「前回同様にやれば今回も普通に勝てる」などと油断したりしていれば、澤田六段が研究手を炸裂させて快勝する可能性があります。
澤田六段に有利な要素3:藤井四段は疲れている
では、今回の王将戦1次予選の持ち時間はいくらかなのか?将棋連盟公式サイトで調べたところ、3時間と判明しました!
「順位戦の半分だし、体力的には余裕じゃん!」と思う人もいるかもしれませんが、そうとは言い切れません。なぜなら、藤井四段は勝ちまくっているせいで対局数が多くなっていて、疲れが溜まっていると考えられるからです。
今年度、藤井四段はすでに17戦をしています。まだ10戦しかしていない澤田六段よりだいぶ多い対局数です。さらに、藤井四段の場合は学校にも通わないといけません。
疲労という面からは圧倒的に澤田六段が有利です。藤井四段が有利な局面で集中力を欠いてミスをして、混戦になって澤田六段勝利という展開もありえます。
澤田六段は学校には通っていないのかと気になる人もいると思ったので調べたのですが、澤田六段の学歴については暁中学校・高等学校を卒業しているということしか分かりませんでした。
まあしかし、仮に大学に通っていたとしても、すでに澤田六段は25歳なので卒業済みのはず。今は将棋に専念しており、時間的余裕があると考えていいでしょう。
なお、ネットでは澤田六段が京都大学出身だという噂が流れていますが、京都大学の将棋部が噂を否定しています。
藤井四段に有利な要素1:レーティングが上回っている(はず)
レーティングというのは棋士の強さを表す数値で、膨大な対戦データから統計的に算出されるものです。
澤田六段のレーティングは現在、1762と計算されています。ちなみに、現在、最高のレーティングを持っているのは佐藤天彦名人で1883です。プロ棋士の平均値は1500とされています。
藤井四段はというと、残念ながらまだ対局数が少ないため、正確なレーティングは算出できていません。しかし、2chの将棋ファンの書き込みを見た感じ、少なくとも1800はあると考える人が多数派で、中にはすでに1900を超えてプロ棋士のトップに達していると考える人もいます。
仮に藤井四段のレーティングを2000とするなら、藤井四段の澤田六段に対する勝率は79.7%と計算されます。また、1900とするなら、68.9%。1800とするなら、55.4%です。レーティングをいくらと予想するかにもよりますが、やや藤井四段が有利と考えていいでしょう。
藤井四段に有利な要素2:どんどん成長している
藤井四段と澤田六段の戦いは今回で2度目になるわけですが、実はすでに藤井四段と2回戦っている棋士が3人います。しかし、27連勝を決めていることからも分かるように、3人とも2連敗に終わっています。1度負けたら、「次は負けないぞ!」と雪辱を期すのが普通ですし、見ているほうも「何度も勝てるものではない」と思うものですが、藤井四段にはそういう理屈は通用しないようです。
2連敗した棋士の1人、浦野八段のコメントが参考になります。
勝敗予想まとめ:藤井四段の勝率は70%程度
澤田六段はすでに一度、藤井四段と対戦しており、そのときはあと一歩のところまで追い詰めました。今回は前回よりも澤田六段は時間的に余裕があり、一方、藤井四段は疲労が溜まっていることから、澤田六段はかなり藤井四段を追い詰めるのではないかと思われます。
しかし、藤井四段のレーティングはすでにかなり高いと思われ、また、どんどん成長していっていると評価する棋士もいるため、総合的に有利なのは藤井四段だと考えられます。
ずばり、藤井四段の勝率は70%と予想します。
おわりに:両者の意気込み
ほかにも、藤井聡太四段の記事を作っています!
順位戦は、上から3番目のクラスであるB級2組に在籍。竜王戦は、上から2番目のクラスである2組に在籍。レーティングは1762、これはプロの中で17位の数値です。
総合的に見て、プロの中でもかなり強い、才能ある若手強豪という感じです。