マイナカードを使って患者の保険資格を確認できる「オンライン資格確認システム」の不具合や通信障害で患者の保険資格が確認できない場合、患者が従来の保険証を持参していなければ加入保険が分からず、無保険扱いになる。マイナ保険証を巡るトラブルでは、窓口で一時的に患者が医療費１０割を請求されるケースが相次いだ。
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マイナンバーカードと一体の「マイナ保険証」を巡り、システム不具合などで「無保険扱い」となった患者に対する医療費10割の請求例が、少なくとも776件に上ることが（2023年6月）20日、全国保険医団体連合会（保団連、東京）の調べで分かった。
保団連は各地の医師で構成。10割負担に激怒する患者もいたという。
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厚生労働省は（2023年6月）２９日、マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」を巡るトラブルの解消に向けた推進本部の初会合を開き、再発防止に向けた対策をまとめた。医療機関のシステムの不備などで患者が「無保険扱い」となっても、窓口負担は本来の３割分などにするよう病院側に求める。患者の加入する保険を確認できなかった場合でも最終的に健康保険組合などで補塡（ほてん）し、病院が残りの医療費を受け取れないことがないようにする。

「一つ一つの課題を洗い出し、（マイナ保険証を）安心して活用してもらえる環境整備を進める」

加藤勝信厚労相は会合の冒頭こう述べ、トラブル解消を急ぐ考えを示した。
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会合では、遅くても８月までにトラブルの解消を目指す方針を示した。また、データ全体の照合や高齢者施設の入居者への対応など、来年秋の健康保険証廃止に向けた工程表も決めた。

厚労省は同日、マイナカード取得者向け行政サイト「マイナポータル」で閲覧できる医療や介護などの情報を総点検するための関係部局の会合も開催。７月末までにデータ登録の作業方法などを保険者に確認し、点検結果をまとめることを決めた。
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マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」の不具合対策が8月から始まる。医療機関の窓口でカードが読み取れない場合、加入する健康保険組合の名称などを新設の「申立書」に記入して提出すれば、医療費の患者負担は通常通り1～3割で済む。これまでは「無保険扱い」となって10割を請求されるケースがあり、カードへの不信感を高める一因となっていた。
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申立書の名称は「被保険者資格申立書」。マイナンバーカードに記載されている氏名、生年月日、性別、住所のほか、加入する公的医療保険の種類、勤務先、保険証が交付された時期、自己負担割合を記入し、医療機関の窓口で提出する。
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政府はマイナンバーカードと一体化したマイナ保険証を持たない人に発行する「資格確認書」の運用を大幅に見直す。有効期限を最長５年に延ばし、本人の申請がなくても「プッシュ型」で配るのが柱。今の保険証制度に近づけることで混乱を抑えるのが狙いだ。
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新たな対策では最長１年の上限を見直し、５年以内なら保険者の判断で期限を決められるよう修正。現在、主に自営業者向けの国民健康保険や７５歳以上の後期高齢者医療制度の場合、保険証の有効期限は１～２年。大企業が中心の健康保険組合は特段定めがない。５年以内にすれば、大半の被保険者にとって影響は少ないと見込んだ。
　また、本人申請を必要とした従来方針を改め、マイナ保険証を持たない人全員に職権で交付。「事務手続きを行う保険者と利用者の負担を少しでも減らす」（関係者）ことを目指す。同省は来秋に向け資格確認書の詳細を詰め、省令で定める方針だ。
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