大阪市住之江区北加賀屋にある、大型現代アート作品の収蔵庫「MASK(MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA)」が、2024年10月18日から11月4日までの10日間、開館10周年を記念したイベント「Open Storage 2024ー祝う収蔵庫-MASK 10th Anniversary」を開催します。
近年、アーティストは制作場所の確保や、作品保管の難しさに直面しています。作品を制作する際に、広いスペースが必要となる大型作品は、制作場所の確保が難しいだけでなく、展示期間終了後の保管場所の確保も大きな課題です。その結果、作品を縮小したり、解体・廃棄せざるを得ない状況に追い込まれるケースも少なくありません。
一般財団法人おおさか創造千島財団は、こうした課題解決の一助となるべく、2012年から元鋼材加工工場・倉庫を活用した大型アート作品の収蔵庫「MASK」のプロジェクトを始動。2014年に開館し、現在では宇治野宗輝、金氏徹平、久保田弘成、名和晃平、持田敦子、やなぎみわ、ヤノベケンジなど、7名のアーティストの大型作品を無償で保管しています。毎年開催されている「Open Storage」では、これらの収蔵作品を一般公開することで、アートに触れる機会を創出しています。
10周年を記念した今年は、会期を10日間に拡大し、収蔵作品の一般公開を行います。さらに、11月2日には「10th Anniversary Special Program」と題した記念イベントを開催。収蔵作家が集結し、今後の作品制作やコラボレーションの可能性を探るトークセッションと、収蔵作品を舞台にしたスペシャルパフォーマンスを2部構成で開催します。
スペシャルパフォーマンスは、正直と黒川岳による金氏徹平と持田敦子の作品を使ったパフォーマンス、宇治野宗輝による自身の作品を使ったパフォーマンス、やなぎみわがプロデュースするポールダンスとエアリアルティシューのパフォーマンスなど、バラエティ豊かな内容が予定されています。Dumb Typeの藤本隆行(Kinsei R&D)が照明を担当し、一夜限りの祝祭空間を演出します。
また、10月27日には、MASK収蔵作品への印象や疑問などを話し合いながら鑑賞する対話型作品鑑賞プログラム「アートのヒミツ基地?!みんなで探検ツアー」も開催されます。これは、アート初心者でも安心して作品を楽しめるプログラムで、子どもから大人まで誰でも参加できます。
MASKは、アーティストの創作活動を支えるだけでなく、地域に開かれたアートスペースとして、北加賀屋エリアの活性化にも貢献しています。今回の10周年記念イベントは、アートと地域、そして人々をつなぐ貴重な機会となるでしょう。ぜひ、この機会にMASKを訪れて、大型現代アートの世界を体感してみてください。
【開催概要】
会期:2024年10月18日(金)~20日(日)、25日(金)~27日(日)、11月1日(金)~4日(月・休)
時間:12:00~18:00
会場:MASK(MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA)
大阪市住之江区北加賀屋5-4-48
入場:無料(11月2日を除く)
【10th Anniversary Special Program】
日時:11月2日(土)15:30~20:00
入場料:前売3,000円、当日3,500円
チケット販売:Peatix
大阪・北加賀屋エリアの活性化に貢献する現代アートの収蔵庫「MASK」の10周年記念イベントは、アートシーンにおいて大きな意義を持つと言えるでしょう。
近年、アーティストを取り巻く環境は厳しくなっており、大型作品の制作や保管は大きな課題となっています。MASKは、こうした課題に対して、アーティストの作品を無償で保管することで、創作活動を支援しています。そして、一般公開を通して、アートを地域に届ける役割を担っています。
今回の10周年記念イベントは、これまでMASKが築いてきた活動の集大成と言えるでしょう。アーティストトークでは、作家たちが自身の作品や創作活動について語り、今後の展望を共有します。これは、観客にとって、アーティストの思考に触れる貴重な機会となるでしょう。
また、収蔵作品を舞台にしたスペシャルパフォーマンスは、アートとパフォーマンスが融合した、他に類を見ない体験を提供します。アーティストと観客が共に祝う、一夜限りの祭典は、記憶に残る特別な時間となるでしょう。
さらに、対話型作品鑑賞プログラム「アートのヒミツ基地?!みんなで探検ツアー」は、アート初心者でも安心して作品に親しめる機会を提供しています。これは、アートの裾野を広げ、より多くの人にアートの魅力を伝える取り組みと言えるでしょう。
MASKは、単なる収蔵庫ではなく、アーティストと地域、そして観客をつなぐハブとしての役割を担っています。今回のイベントは、その役割を改めて認識させる機会となるとともに、今後のMASKの活動に大きな弾みをつけるものとなるでしょう。
しかし、イベントの成功には、課題も残されています。それは、アートへの関心の低さや、地域住民への認知度の向上です。イベントを通して、より多くの人にMASKの存在を知ってもらい、現代アートへの興味関心を高めることが重要です。
今後、MASKがさらに発展していくためには、地域住民との連携を強化し、アートを通じた地域活性化を推進していくことが求められます。また、若い世代へのアート教育や普及活動も重要です。
今回の10周年記念イベントは、MASKにとって新たな章の始まりと言えるでしょう。今後、MASKがアートと地域を繋ぐ拠点として、さらに発展していくことを期待しています。