「新型コロナウイルスに感染するとこうなる」肺炎や他の臓器の症状、免疫の暴走、妊婦への影響などを聞いた

コロナウイルスに感染すると、体に何が起こるのだろうか。新しい型の遺伝子はSARSとよく似ているので、SARSの名を取ってSARS-CoV-2と名付けられた。新たな流行の初期の研究結果と、過去のSARSやMERSで学んだ知識を組み合わせることで、その答えが見えてきそうだ。(

467
0

肺に始まり、肺に終わる

COVID-19はインフルエンザと同じ呼吸器系疾患であり、肺に始まり、肺に終わるとも言える。

 通常、感染者が咳やくしゃみをして飛沫を飛ばすことによって感染は拡大する。具体的な症状もインフルエンザに似て、発熱と咳から始まり、やがて肺炎を発症し、さらに深刻な症状へと進行することがある。

 SARSの流行後、コロナウイルスによる肺炎は、一般に3つの段階を経て重症化するとWHOは発表した。ウイルスの複製、免疫の過剰反応、そして肺の崩壊だ。

 もちろん、すべての患者がこの3つの段階を経験するわけではない。SARS患者で呼吸器不全まで進んだ例は全体の25%だった。一方、COVID-19の初期データを見ると、約82%の感染者が軽症で済んでいるようだ。

 さらに掘り下げてみると、新型コロナウイルスは他の点でもSARSと似たパターンをたどっているようだと、病原性の高いコロナウイルスを研究する、米メリーランド大学医学部の准教授マシュー・B・フリーマン氏は話す。
引用元:natgeo.nikkeibp.co.jp(引用元へはこちらから)
新型コロナウイルスは人間に感染すると、急速に肺を侵そうとする。

 肺の空気の通り道である気管支の表面には、粘液を作る細胞と繊毛を持つ細胞がある。粘液は、肺を病原体から守りつつ、乾燥を防ぐ。繊毛は、花粉やウイルスなどのごみを取り込んだ粘液を押し出して、体外に排出する働きをもつ。

 フリーマン氏によると、SARSはこの繊毛のある細胞に感染して死滅させるのが得意だったという。死んだ繊毛は抜け落ちて、ごみや粘液と一緒に気管支に溜まる。同じことがCOVID-19でも起こっていると、フリーマン氏は考えている。これが第1段階だ。COVID-19に関する最初期の調査では、患者の多くが両方の肺で肺炎を起こしており、息切れなどの症状を訴えていた。(参考記事:「新型肺炎、武漢から580キロの町が機能不全の実態」)

 そうなると、ウイルスの侵入を察知した体は、肺へ大量の免疫細胞を送り込み、損傷を取り除き、組織の修復に乗り出す。

 これが正常に機能していれば、炎症のプロセスは厳しく管理され、感染した範囲をとどめられる。ところが、まれに免疫系が暴走して、健康な組織も含め、あらゆるものを破壊してしまうことがある。第2段階だ。

 次の第3段階では、肺はさらに損傷し、呼吸器不全に陥る。また、死に至らないまでも、肺に後遺症が残ることもある。WHOによると、SARSの患者は肺にハチの巣状の穴が開いていたというが、新型コロナウイルスの感染者にも同様の病変が報告されている。過剰に反応した免疫系が組織を傷つけるせいで、こうした穴が開くようだ。

 ここまで来ると、人工呼吸器が必要になる。また、酸素を取り込む場所である肺胞と、その周りをめぐる血管の間の膜の透過性が高まって、胸水がにじみ出てたまり、血液に十分な酸素を送れなくなる。

「特に深刻な場合、肺は水でいっぱいになって息ができなくなります。そして、亡くなってしまうのです」と、フリーマン氏は説明する。
引用元:natgeo.nikkeibp.co.jp(引用元へはこちらから)

胃腸:SARS、MERSより下痢は少ない

SARSとMERSが流行したときには、4分の1近くの患者に下痢の症状が見られた。だが、COVID-19では下痢や腹痛はあまり報告されていない。そのため、下痢などの胃腸症状が今回の感染拡大にどれほど関係しているのかはわからないと、フリーマン氏は言う。

 では、呼吸器系のウイルスは、胃腸にどんな悪さをするのだろうか。

 どんなウイルスでも、人の体内に入り込むと、まず自分に合う細胞の受容体を探し、そこから侵入を試みる。

 ウイルスによっては受容体を選り好みするものもあるが、中には何にでも取りつく見境のないウイルスもいる。「そのようなウイルスは、あらゆる種類の細胞に簡単に侵入できてしまいます」と話すのは、米ミシガン大学医学部の臨床研究副学部長で、米国肝臓学会議の議長を務めたことのあるアンナ・スク・フォン・ロク氏だ。

 SARSウイルスもMERSウイルスも、大腸や小腸の細胞に侵入して腸内で感染を広げ、下痢を引き起こしていた。

 フリーマン氏は、新型コロナウイルスが同じ動きを見せるかどうかはわからないとしている。しかし、研究者たちは、COVID-19のウイルスも、SARSと同じ受容体を利用しているとみる。しかもその受容体は、肺と小腸の両方に存在している。

 1月31日付の医学誌「New England Journal of Medicine」に掲載された論文と、1099人の患者の症例を調査した論文投稿サイト「medRxiv」の論文で、ウイルスが便のサンプルから見つかったと報告された。2つの論文は、便を介して感染が拡大することを示唆しているが、まだ結論にいたるにはほど遠い。(参考記事:「コロナウイルスに感染しにくい機内の座席は? 研究」)
引用元:natgeo.nikkeibp.co.jp(引用元へはこちらから)

全身に行きわたる「サイトカインストーム」

 コロナウイルスへの過剰な免疫反応は、体の他の器官にも影響を及ぼす。

 2014年の研究では、MERS患者の92%に、肺以外の場所でコロナウイルスの症状が認められた。実際、SARS、MERS、COVID-19のいずれにおいても、肝酵素値の上昇、白血球や血小板数の減少、血圧の低下など、全身的な症状が見られた患者がいた。少数だが、急性腎障害や心不全を起こした例もあった。

 しかし、これは必ずしもウイルス自体が全身に広がったという意味ではない。米コロンビア大学メイルマン公衆衛生学部のウイルス学者であるアンジェラ・ラスムセン氏は、「サイトカインストーム(免疫の暴走)」が起こった可能性を指摘する。
引用元:natgeo.nikkeibp.co.jp(引用元へはこちらから)

スポンサーリンク

スポンサーリンク

肝臓:巻き添えの被害者

コロナウイルスが呼吸器系の外へ広がると、肝臓が被害を受けることが多い。

「ウイルスは、いったん血液に入ると体のどこへでも泳いでいけます」と、ロク氏は言う。「肝臓は血管がたくさんある臓器ですから、ウイルスは簡単に入り込んでしまうでしょう」

 肝臓の主な仕事は、胃から送られた血液を処理して有毒なものを取り除き、体に必要な栄養を作り出すこと。また、胆汁を作って小腸での脂肪の分解を助ける。肝臓に含まれる酵素は、体の化学反応を速める働きをする。

 ロク氏によると、通常、肝臓の細胞は常にある程度壊れていて、そのせいで、ある種の酵素を一定量血液中に放出し続けている。だが、壊れた細胞は、すぐに新しい細胞にとってかわられる。この活発な再生プロセスのおかげで、肝臓は損傷を受けても立ち直りが早い。なお、血液中の肝酵素の量は、肝臓の健康度のバロメーターになるため、健康診断に使われている。

 したがって、SARSやMERS患者に見られたように、もし肝酵素の値が異常に高くなったら、警戒しなければならない。ただの軽い傷で肝臓が簡単に回復する場合もあるが、肝不全など深刻な症状を起こす恐れもある。

 ロク氏によると、呼吸器系に感染するウイルスが肝臓でどのように作用するのかはまだ明らかになっていない。ウイルスが肝臓に直接感染し、増殖して細胞を殺しているのか。または、ウイルスへの免疫反応が肝臓に激しい炎症反応を起こし、細胞が巻き添え被害を被っているのだろうか。
引用元:natgeo.nikkeibp.co.jp(引用元へはこちらから)

腎臓:すべてはつながっている

コロナウイルスにかかっては、腎臓も無事ではいられない。SARS患者の6%、MERS患者の4分の1が急性の腎障害を起こしており、研究によると、今回のウイルスも同様のダメージを与える可能性がある。症例は比較的少ないが、腎臓がやられると命に関わる。2005年の医学誌「Kidney International」によると、急性腎障害を起こしたSARS患者のうち、91.7%が最終的に死亡した。

 肝臓と同様に、腎臓も、血液をろ過する働きを持つ。それぞれの腎臓には、およそ100万個のネフロンと呼ばれる微小なろ過構造物がある。ネフロンは主に、血液をろ過してきれいにするフィルターと、必要なものを体へ戻し、いらないものを膀胱へ送って尿として排出する尿細管に分かれている。(参考記事:「「汗をかいてデトックス」はウソだった、研究報告」)

 この尿細管がコロナウイルスに感染すると考えられる。SARSの流行後、尿細管でウイルスが見つかったとWHOは報告した。ウイルスに感染した尿細管は、炎症を起こすことがある。

 香港大学の名誉教授で香港サナトリウム病院腎臓科名誉顧問の黎嘉能(ライ・カノン)氏によると、ウイルスが血液に入り込めば、腎臓の尿細管で見つかるのは珍しいことではないという。腎臓は常に血液をろ過しているため、尿細管の細胞がウイルスをつかまえて、一時的または軽度の損傷を起こすことはありうる。

 もしウイルスが細胞に入り込んで増殖を始めたら、その損傷は死につながる恐れがある。しかし黎氏によれば、SARSウイルスが腎臓で増殖していたという証拠は見つかっていない。同氏は、SARSを最初に報告した研究グループの一員であり、「Kidney International」のその論文の著者にも名を連ねている。

 おそらく、SARSで急性腎障害を起こした患者には、低血圧や敗血症、薬物、代謝障害など様々な要因が絡んでいたのだろうと、黎氏は考えている。さらに深刻な急性腎不全まで至ったケースでは、サイトカインストームの徴候もみられた。

 急性腎不全は他にも、抗生物質や多臓器不全によって引き起こされたり、長時間にわたり人工呼吸器をつけていたことが原因の場合もある。すべてはつながっているのだ。
引用元:natgeo.nikkeibp.co.jp(引用元へはこちらから)

妊婦への影響は?

2月に、中国、武漢の病院で2人の新生児に新型コロナウイルスの陽性反応が出たと発表された。そのうちひとりは、誕生してからわずか30時間しか経過していなかった。そこで、妊婦がコロナウイルスに感染すると、胎児も感染してしまうのかという疑問が当然出てくる。あるいは、出産中や授乳中に感染が起こるのだろうか。

 SARSやMERSでは多数の妊婦にも感染者が出たが、母親から子への感染は報告されていない。新生児への感染経路は母親以外にも考えられると、ラスムセン氏は言う。例えば、多数の感染者が救急病棟へ押し寄せている病院で出産した可能性もある。

 2月12日付の医学誌「The Lancet」に発表された論文では、母子感染の証拠はないという初期結果が報告されている。

 論文によると、武漢で新型肺炎にかかった9人の妊婦を観察したところ、一部の女性で妊娠合併症が見られたものの、全員が無事に出産し、ウイルスに感染した証拠も確認されなかった。とはいえ、妊娠中の感染の可能性がこの論文で完全に排除されたわけではなく、この病気には慎重に対応する必要があることを忘れてはならない。
引用元:natgeo.nikkeibp.co.jp(引用元へはこちらから)

みんなの反応

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

健康の新着

平野レミ  NGワードの料理名「さんま5点おろし」(さんま御殿)を生放送で言ってしまう

『平野レミの早わざレシピ』の中で、料理愛好家の平野レミさんがNHKから「絶対に言...

【悲報】LiSAの夫こと鈴木達央さん、年内復帰は絶望?12月の「東京リベンジャーズ」イベント出演辞退

12月18日(土)に開催予定の、TVアニメ『東京リベンジャーズ』須辺謝留威弁斗~...

【悲報】国からのワクチン供給は10月で終了?大阪府の通知がUPされる 医師「今のうちに接種を」

国から「COVIDワクチンの供給は10月で終了するよ」っていう通知が来た。つまり...

【画像】北海道で歴史的建造物にスプレーで落書き! 旧北炭幌内炭鉱の旧変電所 #杉山けんと

道内近代炭鉱の先駆けとなった旧北炭幌内炭鉱の旧変電所(市内幌内本沢町)で19日、...

【悲報】在宅勤務でイヤホン常時装着→難聴になる人続出 GEOの骨伝導イヤホンが話題に

イヤホン難聴は、耳の奥にある、音を伝える役割を持つ有毛細胞が大きな音で徐々に壊れ...

ワイドナショー 松本人志「親ガチャは若者が遊び感覚で使ってた言葉。大人が騒ぐからつまらなくなった」

ダウンタウン松本人志(58)が19日、コメンテーターを務めるフジテレビ「ワイドナ...

アクセスランキング

【放送事故】スッキリに「LONGMAN」出演 「なんだこれ?」「下手過ぎ」と視聴者の心が一つに

9月のマンスリーMC:もう中学生。 今日のテーマは、タメになるエンタメSP。 こ...

【話題】漫画「妻の飯がマズくて離婚したい」逆ギレするメシマズ嫁、甲斐性のない夫 悪いのはどっち?

価値観の違いから、夫婦間のバトルに発展することも少なくないかもしれません。 アツ...

元女子レスラー・風間ルミさん急死 55歳 8月末に持病の子宮内膜症をツイート

ジャパン女子プロレス、LLPWなどで活躍した元女子プロレスラーの風間ルミさん(本...

【炎上】売れ残った甲斐犬をクラファンで引き取りたい→金ないなら飼うなと批判され都合の悪い人は即ブロ

甲斐犬 龍馬 @kaiken_ryoumaさんのツイートが話題です。それに関す...

【事故】東京台東区 蔵前橋通り 蔵前一丁目交差点で事故発生!「トラックの下敷き、めっちゃ血出てた」

2021年9月22日(水曜)東京台東区 蔵前橋通りで事故が発生した模様です。 T...

【人身事故】阪急京都線 東向日駅~洛西口駅間で人身事故「ブルーシートで覆われてる」

近鉄橿原線 新ノ口~大和八木駅間で人身事故 が発生しました。 現在運転の運転見合...

まとめ作者