2024年03月25日更新

【文豪ストレイドッグス】1話の元ネタまとめ！出だしは羅生門で結末は山月記！

アニメ『文豪ストレイドッグス』の1話に登場した文豪ネタ、文学作品ネタを調べてまとめました。元ネタと共通する部分もあれば、元ネタとは正反対の部分もあるので、元ネタを知っているとより一層楽しめます。個人的には、文ストの太宰治が「人に迷惑をかけたくない」と言うシーンが、文豪の生き様とは正反対でツボでした。

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『空腹に耐えられず盗人になる』の元ネタは『羅生門』

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文ストでは孤児院を追い出され、無一文で空腹に耐えられなくなった敦が「盗みを働く度胸が無い」と悩んだ末に「何としても生き延びてやる。よし、この次に通りがかった奴を襲って、そいつから金品を奪ってやる！」と決意します。

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芥川龍之介の小説『羅生門』では、仕事をクビになった男が空腹に耐えられなくなります。そして、盗人になるしかないと気づくのですが、勇気が出せずに悩み続けます。このように、悩んだ末に答えを出せたかどうかという違いはありますが、悩む過程がよく似ています。

『羅生門』の男はその後、死体の髪を抜く老婆に出会い、その老婆の影響を受けて盗人になってしまいます。

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文ストの場合、敦は盗みを決意したものの手頃な相手を見つけらず、たまたま入水した治を助けることになって、盗人にはならずに済みます。というように、結末は全く違っています。

『人に迷惑をかけないクリーンな自殺』は太宰治の生き方に関係

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文ストでは川で溺れていたところを敦に助けてもらった治が「人に迷惑をかけないクリーンな自殺が信条。なのに君に迷惑をかけた時点でそれはこちらの落ち度」などと謝罪をします。

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文豪の太宰治は女性と一緒に心中しようとして自分だけ生き残ってしまったことが2回あります。そして最後には女性と一緒に入水を完遂して亡くなりました。文ストの治が人に迷惑をかけないことにこだわっているのは、文豪の太宰治の生き方への批判あるいは修正案みたいなものでしょう。

『人が虎になる』の元ネタは山月記

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文ストでは敦が虎に変化する能力を持っており、孤児院を壊したり、人を襲ったりしていました。

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山月記は中島敦の書いた小説で、「秀才が挫折し心を病んで虎になる」というストーリーです。主人公が虎になった自覚があるかどうか、主人公が秀才かどうか、などなど相違点は多いですが、人間が精神的に追い詰められて虎になるというところは共通しています。

敦の仕草が猫っぽい理由

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冒頭、空腹で四つん這いに。

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治に驚かされて、猫みたいな手つきに。

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このあたりに虎が出ると聞いて、四足歩行で逃走。など、敦の仕草には猫っぽさがありました。

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おそらくは、虎になる能力を持っているから、日常生活でも虎っぽい動きが出てしまうということなのでしょう。

タイトルの元ネタ

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1話のタイトルは「人生万事塞翁が虎」

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元ネタは古代中国の思想書『淮南子』に出てくる「人間万事塞翁が馬」という言葉です。「人間万事塞翁が馬」は人生における幸・不幸は予測しづらいものであり、安易に喜んだり悲しんだりすべきでないという意味です。文スト1話で敦の立場が孤児→放浪者→囮→虎→武装探偵社の社員と目まぐるしく変化したことを表す言葉としてピッタリであるためタイトルに選ばれたのでしょう。馬が虎に置き換わっているのは、元ネタでは馬に関係した事件が起きるのに対して、文ストでは虎が事件に関わっているためでしょう。